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» 2009年03月24日 07時30分 UPDATE

ミドルが経営を変える:【第17回】新入社員すべてをパンダ型だと思い込むな (1/3)

毎年この時期に社会経済生産性本部が発表する「新入社員タイプ」。時世にあったネーミングは的を得ているが、うのみにしてすべての社員を型に当てはめようとしてはいけない。

[吉村典久(和歌山大学),ITmedia]

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 筆者が所属する和歌山大学では、後期日程の入試が終わり、今年度の主要な行事は3月末の卒業式を残すのみとなった。4月初頭には入学式があり、式後の新入生ガイダンスの詳細もそろそろ手元に来る時期である。

 突然だが、ここで問題。第1次石油危機のころは「パンダ型」、バブル景気の真っただ中は「養殖ハマチ型」、“失われた10年”のころは「ボディシャンプー型」、そして昨年度は「カーリング型」。これらは何を表現したものであろうか。

 毎年3月末になると社会経済生産性本部の「職業のあり方研究会」が「入社年度別新入社員タイプ」を発表する*1。新聞紙上などでも取り上げられることが多いため、目にしたことのある読者も多いはずだ。

 1973年のパンダ型から2008年のカーリング型まで、それぞれ新入社員の特徴を端的に表現するものとしてネーミングされている。下図にあるように、パンダ型は「おとなしくかわいいが、人になつかず世話が大変」とのことである。カンカンとランランが日中国交正常化を記念して中国から上野動物園に贈られたのは1972年のことだった。1978年の「カラオケ型」は、「伴奏ばかりでほかと音程合わず。不景気な歌に素直」とある。日本カラオケ事業協会によると、1978年はカラオケの「8トラック全盛期」とのことである。


入社年度別新入社員タイプ
年度 タイプ 説明
1973 パンダ型 おとなしくかわいいが、人になつかず世話が大変
1974 ムーミン型 人畜無害でおとなしいが、大人か子供か得体知れず
1975 カモメのジョナサン型 群れから外れやすく上空からしらけた眼で見ている。一方でめざとい
1976 たいやきクン型 頭から尾まで過保護のアンコがギッシリ
1977 人工芝型 見た目きれいで根が生えず、夜のネオンでよみがえる
1978 カラオケ型 伴奏ばかりで他と音程合わず。不景気な歌に素直
1979 お子様ランチ型 何でも揃って綺麗だが、幼さ抜けず歯ごたえなし
1980 コインロッカー型 小じんまりと画一的で、外見も反応もすべて同じ
1981 漢方薬型 煎じ方悪ければ、効き目なく副作用生じる
1982 瞬間湯沸かし器型 新式と旧式の二種類存在し、反応・熱意が正反対
1983 麻雀牌型 大きさと形同じで並べやすいが、中身は分からず
1984 コピー食品型 外見のみ本物風で手間いらずだが、歯ごたえなく栄養も心配
1985 使い捨てカイロ型 もまないと熱くならず、扱い方も難しい
1986 日替わり定食型 期待したわりには変わり映えせず、同じ材料の繰り返し
1987 テレフォンカード型 一定方向に入れないと作動しないし、仕事が終わるとうるさい
1988 養殖ハマチ型 過保護で栄養分高いが、魚らしくピチピチしていない
1989 液晶テレビ型 反応早いが、値段高く色不鮮明。改良次第で可能性大
1990 タイヤチェーン型 装着大変だが、装着の具合次第で安全・駆動力OK
1991 お仕立券付ワイシャツ型 価格高く仕立てに時間かかり、生地によっては困難
1992 バーコード型 読み取り機(上司)次第で、迅速・正確・詳細な処理可能
1993 もつ鍋型 一見得体知れずで厄介だが、煮ても焼いても食えそう
1994 浄水器型 取り付け不十分だと臭くてまずいが、うまくいけば必需品
1995 四コママンガ型 理解に時間がかからず傑作もある一方で市場にあふれているので安く調達できる
1996 床暖房型 断熱材(評価)いれないと熱(やる気)が床下(社外)に逃げる
1997 ボディシャンプー型 泡立ち(適応性)よく、香り(個性)楽しめるが、肌(会社体質)に会わないこともある。石鹸(従来社員)以外に肌を慣らすことも必要
1998 再生紙型 無理な漂白(社風押し付け)はダイオキシン出るが、脱墨技術(育成法)の向上次第で新タイプの紙(新入社員)として大いに市場価値あり
1999 形態安定シャツ型 防縮性、耐摩耗性の生地(新人)多く、ソフト仕上げで、丸洗い(厳しい研修・指導)OK。ただし型崩れ防止アイロン(注意・指示)必要
2000 栄養補助食品型 ビタミンやミネラル(語学力やパソコン活用能力)を豊富に含み、企業の体力増強に役立ちそうだが、直射日光(叱責)に弱く、賞味期限(試用期間)内に効果(ヤル気)薄れることあり
2001 キシリトールガム型 種類は豊富、価格も手ごろ。清潔イメージで虫歯(不祥事)予防に効果ありそうで、味は大差ない
2002 ボディピロー型(抱き付き枕) クッション性あり、等身大に近いので気分はいいが、上司・先輩が気ままに扱いすぎると、床に落ちたり(早期退職)、変形しやすいので、素材(新人の質)によっては、いろいろなメンテナンスが必要となる
2003 カメラ付ケータイ型 その場で瞬時に情報を取り込み発信するセンスや処理能力を持ち、機能も豊富だが、経験や知識がなかなか蓄積されない。また、中高年者にとって使いこなしきれない側面もある
2004 ネットオークション型 ネット上で取引が始まり、良いものには人気が殺到しさっさと売れる一方で、PR不足による売れ残りも多数。一方で、ブランド名やアピールに釣られて高値で落札したものの、入手後にアテが外れることもある
2005 発光ダイオード型 電流を通す(=ちゃんと指導する)と、きれいに光る(=いい仕事をする)が、決して熱くはならない(=冷めている)
2006 ブログ型 表面は従順だが、様々な思いを内に秘め、時にインターネット上の日記を通じ大胆に自己主張する。繊細な感受性とブログ的なネットワーク力に優れるが、パソコンに語るだけに止まる傾向もある
2007 デイトレーダー型 景気の回復で久々の大量採用だったが、氷河期前とは異なり、細かい損得勘定で銘柄(会社)の物色を継続し、安定株主になりにくい。売り手市場だっただけに、早期転職が予想される。ネットを駆使した横のつながりで情報交換が活発だが、情報に踊らされない慎重さも必要
(財)社会経済生産性本部の「職業のあり方研究会」の発表資料から作成。各年度の命名は2002年度までは現代コミュニケーションセンター、それ以降は社会経済生産性本部によるもの。


*1 2002年度の「ボディピロー型(抱き付き枕)」までは、現代コミュニケーション・センターによってネーミングが行われていた

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