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» 2009年09月09日 08時15分 UPDATE

ITmedia エグゼクティブセミナーリポート:企業価値向上経営で“沈没”しない企業の仕組みづくりを (1/2)

もはや日本経済に長期にわたる持続的な成長を期待することは難しい。そこで、IBMビジネスコンサルティング サービスの金子典嗣氏がその必要性を強調するのは、どんな経済環境の荒波に襲われようとも決して沈没することのない、“企業価値”の観点から見た仕組み作りだ。

[岡崎勝己,ITmedia]

日本経済に明日はあるか?

 “100年に一度の危機”であることが強く叫ばれる日本経済。ただし、その動向を長期にわたって展望すると、国内の実質GDPはこの15年の間にマイナス成長を何度も経験してきたのが実情だ。こうした中で注目を集めているキーワードの1つが「企業価値向上経営」である。では、このキーワードに関心が高まっているのはなぜなのか。それは、日本経済のこれまでの推移から伺うことができる。

exesemi002.jpg IBMビジネスコンサルティング サービス 事業開発 兼 ゼネラルビジネス担当 金子典嗣氏

 戦後の日本が経験した代表的な経済危機は3つある。まず挙げられるのが、中東戦争に起因する1973年の第一次オイルショックだ。この局面において、日本では石油価格が高騰するとともに、その他製品の便乗値上げによってインフレが加速。インフレ抑制のために公定歩合が引き上げられ、企業の設備投資も抑制策が取られたことで、1974年には戦後初のマイナス成長を記録した。

 次に挙げられるのがバブル景気の崩壊だ。その結果、不良債権問題により山一証券をはじめとした長い歴史を誇る企業も数多く倒産し、銀行の貸し渋りや貸しはがしも社会問題化した。そして、最後に挙げられるのが、言うまでもなくサブプライムローン・ショックである。

 8月28日に開催の「第10回ITmedia エグゼクティブセミナー」で講演したIBMビジネスコンサルティング サービスの事業開発兼ゼネラルビジネス担当を務める金子典嗣氏は、「こうした歴史を振り返れば、日本において持続的な経済成長はもはや望めず、各種の経済危機がいつ訪れても決しておかしくないことが理解できよう。では、企業としてこのような事態にいかに対応すべきか。もちろん、直近の利益確保のための努力は必要だが、企業の永続性を考えれば、より長期の視点からどのような経済環境の変化にも対応し得る仕組みを作る努力も欠かせないはずだ」(金子氏)と強調した。

社会の役に立ち続けることが企業の責務

 金子氏の言を裏付けるように、国内小売の総売上額は10年前の148兆円から138兆円にまで減少。消費の二極化も進み、多くの消費者は財布の紐を締める傾向をますます強めている。こうした中、「顧客のニーズに応えるだけでは、利益を確保することが困難になっている」(金子氏)のが実情だ。

 冒頭で触れた企業価値向上経営は、こうした“閉塞感”の打破を目指したものと位置づけられる。金子氏の言に従えば、マネジメントがバランスをきかせつつ経営資産と資本の有効活用をすることで、組織が健全に働き財務体質も改善される。その結果、企業に対する信頼も増すことで、優秀な人材が集まるとともに取引先も増え、金融機関からの資金調達も容易に行えるようになる。

 「企業、特に上場企業には社会の公器として、社会の役に立ち続けることが強く求められている。企業は人により成り立っていることを考えれば、組織力を強化することが社会への貢献度を高めるためにも欠かすことができない。その実現に向け、経営の可視化を図ることが、ひいては企業価値の向上にもつながるのだ」(金子氏)

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