ニュース
» 2010年07月22日 12時06分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:ネットならではの顧客感情マーケティング (1/2)

ネットビジネスで成功するにはその特徴を理解する必要がある。デジタルな世界だがアナログなアプローチが強みを発揮する。

[原田翔太,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。


勝つための戦い方

 「ネットの世界も1円でも多く広告費を払ってライバルを蹴落とさなきゃ勝負にならない。でもウチにはそんなお金はないんです。お金を持っていない小規模な事業主はどうすればいいの?」

arienai.jpg 『22歳の大学生が1億円稼いだ ありえないマーケティング』

 これまでマーケティングコンサルタントとして活動する中で、経営者をはじめ、マーケティング担当者、個人事業主の方など、実に多くの人から、会うたびにこのような相談を受けてきた。

 わたし自身もいくつかネット企業を経営する身でもある。だから、そう叫びたくなる気持ちは痛いほど分かる。

 こんなご時世だ。個人・中小企業はもとより大企業でさえ広告コストは圧迫され、少ない予算の中でなんとかビジネスを成立させなければいけない。かといって、広告を出したからといって確実に売れる保証はない。

 このような状況で、どんな選択をすれば業績を上げられるのかと途方に暮れる人々がいる光景は想像に難くない。

 強者は巨大な資本力を武器に戦いを挑み、弱者はいとも簡単に押しつぶされる……。資本主義の論理としてはこの状況はしごくまっとうに思うかもしれない。だが、ちょっと待ってほしい。弱者には弱者の勝ち方というものがある。

 現にネットの世界では、中小企業をはじめ、1個人であっても大資本が提供するWebサイトをはるかにしのぐ顧客数、売上高を計上するビジネスを実践している人たちは少なくない。

 かの有名な中国の孫子が著した兵法書の中に「兵は詭道なり」という言葉がある。これは奇襲作戦により、弱者であっても大きな資本を持つ相手に勝つことができるという意味である。すなわち弱者であっても、やり方によっては自分の何倍も大きなライバルに対抗できるということだ。

 今日はこの「兵は詭道なり」をテーマに、われわれ「ゲリラ」がどのように戦えばいいか、「弱者の正しい戦い方」を実践するためのヒントをお伝えしたい。

感情が鮮やかな逆転劇を生む

 逆転の鍵を握る要素の1つが「顧客感情」の理解だ。ことWebのマーケティングに限っていえばこれほど重要な要素はない。

 そもそも、インターネットでビジネスが難しくなる原因について考えてみたい。1番は、スピードだ。ネットの世界では、物事が変化するスピードが速いゆえ、淘汰のスピードも速い。その変化についていくために、多くのライバル企業は常に新しい「変化」に目を光らせ、ライバルたちを調査している。

 ネット特有といってもいい要素に「模倣」がある。技術的に、オフラインの世界に比べて圧倒的に容易である。技術力がある会社ならば、ライバル企業が新しく始めたWebサービスを数日で模倣し、似たようなことを始めるのも可能だ。

 「稼げる!」ということが明らかになったビジネスは、その瞬間、怒涛の勢いでライバル会社、新規参入会社による「模倣合戦」が始まる。限られたパイは、一瞬でライバルたちに食いつくされてしまう。そして、どこも似たようなサービスを提供し始める。

 わたしの持論では、インターネットの「模倣しやすい」という性質から生まれる大量の「コピー」ビジネスに抵抗しうる唯一の方法は、お客の「感情」をとらえたビジネスを構築することだと考えている。デジタルなインターネットの世界において、「感情」というアナログな、ややもすると「昭和か!?」と感じるような要素が思わぬ最良の対抗策になる。意外な視点かもしれないが、逆転の発想にこそゲリラの活路がある。どういうことか、解説していきたい。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2012 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Special

- PR -

Special

- PR -

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、企業の明日を変えるエグゼクティブのための無料の会員制サービスです。
ぜひこの機会にお申し込みください。
下記入会条件を満たされている方には、ITmedia エグゼクティブ事務局が審査の上、入会のために必要な招待状をメールでお送りいたします。

お名前
メールアドレス
貴社名
※正式名称で記入してください
ご所属名
お役職名
貴社の従業員数

Special

- PR -

お勧めコミュニティー

【CIOの条件】2012年の企業のICT戦略

この数日間で、大手各社経営者の年頭所感が発表された。私は自動車工業会、情報通信ネットワーク産業協会それぞれが 主催する賀詞交歓会に毎年出席しているが、今回の会場で各社トップが発表する年頭所感には、これまでにはない“改革”や“挑戦”といった意気込みをひしひしと感じた。

【松浦尚子のワイン&コミュニケーション】女性に薦めて喜ばれるデザートワイン「バニュルス・ブラン」で新年の幕開けを!

気持ちも新たに臨む新年!少しいつもと違うワインを楽しみたいものです。なかでも女性におススメして喜ばれるデザートワインに、珍しい「バニュルス・ブラン」をご紹介したいと思います!残念ながら、日本ではあまり見かけませんが、ぜひ知ってもらいたい極上の酒精強化ワインの一つです。

【夏目房之介の「ほぼ与太話」】馬貴八卦掌新年会

土曜、あまり乗ったことのない東武東上線で李先生の家に集まり、新年会。李先生の料理を昼、夜、堪能。これがうまいのだ。

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆