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» 2015年08月19日 08時00分 UPDATE

気鋭の経営者に聞く、組織マネジメントの流儀:お客さま目線の徹底した顧客満足の追及によって、社会も会社も豊かになる (1/2)

結婚や出産を機に仕事を辞めざるを得ない優秀な女性が再び働ける社会を作りたい。サービスを利用する女性たち、受け入れる企業、それぞれに新たな価値を提供し社会に貢献。

[聞き手:中土井僚(オーセンティックワークス)、文:牧田真富果,ITmedia]

 「時代に合わせた価値を創造する(best basic style )」を企業理念とし、現代の働き方・キャリアについての矛盾を解決するため「主婦」「若者」に焦点を当てた就職・採用の新しいスタンダードを作ってきたビースタイルの三原邦彦社長に話を聞いた。主婦の再就職支援を行う「しゅふJOB」では、結婚や出産を機に仕事を辞めざるを得ない優秀な女性が再び働ける社会を作ろうと、女性の雇用創出を存在意義に掲げ、事業を展開している。サービスを利用する女性たち、受け入れる企業、それぞれに新たな価値を提供し社会に大きな貢献をすることで成長を遂げている。

優秀な女性が働き続ける場を提供したい

bstyle1.jpg ビースタイル三原邦彦社長

中土井 どのような経緯で、女性、特に主婦に特化した人材サービス事業を行うに至ったのですか。

三原 私はもともとインテリジェンスという総合人材サービスの会社にいました。そこでの経験をベースに起業を考えたとき、マクロで考えると、必要になってくるのは人口減少にともなう代替労働力の確保です。私は、以前から優秀な女性が結婚や出産を機にキャリアダウンするケースをたくさん見てきました。ライフスタイルに変化があったとしても、せめてホワイトカラーで働き続けることができる社会を実現したいという思いが主婦の人材サービス事業をスタートさせたきっかけです。

 私たちの会社では、キャリアを離れた方やブランク期間が長い方からハイキャリア向けのパートまで幅広く女性の雇用創出に関わっています。「時短エグゼ」というサ−ビスでは、もともと年収500万円以上だった女性がハイキャリアパートとして就業しています。例えば、週3日勤務のCFO、週4日勤務の大手企業の部長補佐といった、新しい働き方をする女性が増えています。

 今でこそ、既婚者であっても優秀な女性が多いことを説明する必要はなくなりましたが、会社を起業した12年前は1社1社啓蒙してまわっていた状態からのスタートでした。現在では、約1000社と取引があり、今年6月の決算では、年商50億円を超えるか超えないかというところまできています。

自分たちが選び取ってきた行動によって、お客さまの満足感を創り続ける

中土井 サラリーマンから経営者になり、組織を率いていく中で大きく変わったこと、特に意識していることはありますか。

三原 事業を行うにあたり、3つの目的を設定しています。売上利益の最大化、顧客満足の追及、雇用創造です。この3つの目的を持ち、社員に望ましい感情を持ってもらい、望ましい行動を起こしてもらうことで、よい結果を出すことが組織マネジメントの原点だと思います。ここでいう望ましい感情とは、お客さまからの期待に応えたいという感情や難易度の高い仕事にチャレンジしようという感情のことです。

 私たちの提供するサービスを通して、お客さまが満足することが、会社の評価に繋がります。お客さまからの期待に応えようという感情に動かされ、行動を起こすことの積み重ねによって、今の会社の好循環は成り立っています。

 他社競争ではなく、常にお客さまの方を向いている経営だからこそ、UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザーが製品やサービスを使ったときに得られる経験や満足などの体験の総称)にもこだわっていきたい

中土井 顧客満足の追及において、経営者として重要視しているポイントは何ですか。

三原 顧客接点を通してお客さまに満足という感情を提供したいと思っています。満足していただくために最も重要なのは、どのようなUXを提供しているかということです。結局は、どんな風にお客さまが体感したのかがすべてです。だからこそ、最後の1%にまでこだわり抜くことをいつも大切にしています。

 組織やマネジメントは、お客さまには見えない会社の内側のことなので、お客さまのUXには直接関係しません。ストレートに言えば、お客さまにとってはどうでもいいことなんです。お客さまと私たちのサービスが直接つながって生まれるUXを最良のものにするために組織があり、マネジメントがあるという考え方に立っています。

 サービス業は人を介してサービスを提供するしかないので、UXをコントロールしづらい業態ではあります。歌手だったら、10万人を集めてコンサートをすればダイレクトにUXを届けることができ、メーカーだったら、商品を介在するので、UXのズレは最小限に抑えることができます。UXを徹底的にコントロールしたいという欲求をその実現が難しい人材サービスの分野でチャレンジしています。

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