連載
» 2018年10月11日 08時07分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:人とは違う生き方をしよう (1/2)

自分らしく生きている人は、自分らしさになんかこだわらない。

[中谷彰宏,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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「いいね!」が集まらないことが、個性だ

『人とは違う生き方をしよう。』

 「“いいね”はたくさん集まるのですが、ビジネス的に成り立たないのです」と悩む経営者が多くいます。

 お客さまは、個性にお金を払います。個性があるということは、人と違うということです。人と違うことには、「いいね」は集まりません。自分と同じ感覚だから、「いいね」が集まるのです。

 経営的には、「いいね」が集まらないことが、成功するのです。「いいね!」が集まらないと、自信がくじけて、個性が消えていきます。これは「個性」の定義が違うのです。

 みんなが「いいね!」と言ってくれることは、すでに世の中にあることです。個性は、みんなは持っていなくて、1人が持っていることです。当然、みんなには理解されません。みんなに「いいね!」と言われることは、個性的ではないのです。

 「いいね!」をたくさん集めようとする発想自体、個性的でなくなります。「いいね!」をたくさん増やそうと思ったら、どこかに書かれたグチ・悪口・ウワサ話をコピペすればいいのです。

 ただし、それは自分の個性ではありません。「いいね!」を増やすために個性を消す方向に進むのです。

 世界を見ると、爆発的に「いいね!」を集めているものもあります。それは、そもそも「いいね!」を集めようとはしていません。たまたまSNSにアップしただけで、人に見せるために考えたものではないし、ましてやコピペではないのです。

 個性も欲しいし「いいね!」も欲しいというのは、欲張った考え方です。「いいね!」が欲しければ、個性を捨てればいいのです。それだけのことです。みんなと同じことをすれば、みんなに理解されて、「いいね!」が集まるのです。

 長年売れなかったお笑い芸人さんが、ある時、突然売れるようになることがあります。売れるように芸を変えたのではありません。長年、続けた者の勝ちなのです。最初は「気持ち悪い」と言われていました。それを10年続けていたら、世の中で1人、2人と、「面白いよね」と言う人が出てきて、そこから売れるようになっていったのです。

 ネット社会は、一見、多様性社会のように感じます。「いいね!」ボタンがついた瞬間に、没個性になっていきます。本人の中では、「いいね!」が少ないことで悩んでいます。個性を身につけたいなら、まずは「いいね!」を集めることを放棄した方がいいのです。

「自分らしさ」なんて考えない人が、自分らしく生きることができる

 「自分らしさを生かしたビジネスがしたいんです」と、経営者が言いました。「あなたの“自分らしさ”はなんですか」と聞かれても、答えられません。「自分らしさ」は、自分では分からないことです。

 「これが私の自分らしさです」というものは、本当の自分らしさではないのです。自分らしさは、その人が無意識にしていることの中にあります。反復回数が一番多くて、飽きるほどしていることです。

 例えば、地域の町おこしで「うちは○○をウリにしようと思います」と言いますが、それは東京でもさんざん見ています。しかも、一周遅れです。

 青森では、トラックの荷台を改造して、そこにお客さまが乗ってリンゴ狩りができるところがあります。「これ面白いじゃないですか」と言うと、地元の人は「恥ずかしいですから写真を撮らないでください」と言うのです。

 自分らしさは、本人が飽き飽きしていることです。自分としては、むしろ恥ずかしくて見せたくないことなのです。

 ブログで自分らしさを売り出そうとする人は、「いいね!」がたくさんもらえないとか、アクセス数が少ないとかでまた悩みます。ブログで「今日、こんなお店に行きました」というのをアップしても、それは自分らしさではありません。それは、たまたまミシュランの星のついたレストラン行ったからです。いつも行っているところは、写真すら撮りません。むしろ、恥ずかしいから内緒にしたいのです。

 それが自分らしさです。

 自分らしくあるのは、難しくもあり、同時に簡単でもあります。難しいのは、自分では気付きにくいからです。簡単なのは、ただ繰り返せばいいからです。

 自分らしさは、性格のように生まれ持ったものではありません。ましてや必死に探しまわるものでもありません。一番たくさん回数を重ねていることが、自分らしさです。飽きるまでして、飽きても続けていることなのです。

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