米サブプライムローン問題による懸念から、消費者マインドの先行きが気になるところだが、身近な社会現象からは先行きの持ち直しの兆しもうかがわれる。
米国のサブプライムローン問題が日本経済に与える影響が懸念されているが、サブプライムローンによる損失見込み額は米GDPの1%に満たないと試算されている。米国はしっかりと金融市場に資金供給をし、公定歩合も速やかに引き下げるなどの対応をしているので、米国景気が大きく失速することはなく、日本への影響をそれほど恐れる必要は今のところないだろう。消費マインドを冷やすといったところまではいかないだろう。
日本の景気動向把握に際し、重要データのひとつである鉱工業生産指数の7月分速報値は前月比0.4%減%と2カ月ぶりの減少となった。7月16日に発生した新潟県中越沖地震による自動車生産休止の影響が出たためだ。経済産業省によると中越沖地震は指数を1%強下押した。
なお、8月分の製造工業予測指数は反動も加わり前月比6.8%増とかなりしっかりした前月比になった。9月分の製造工業予測指数は前月比2.5%減だが、8月分の高水準を考慮するとしっかりした数字と言えよう。生産は年初1〜3月期にITの在庫調整や米国向け生産分の調整などで6四半期ぶりに減少した。4〜6月期も前期比0.2%増と小幅な伸びにとどまったが、8月分以降は一時的なもたつき局面を抜け、先行き明るい動きが期待される。
鉱工業生産指数を製造工業予測指数の8月分・9月分の前月比で延長した場合の試算では7〜9月期は前期比4.1%増、前期比年率17.4%増になる。多少の下ぶれを考慮しても、7〜9月期は前期比かなりの増加になる可能性が高いと思われる。
連続して先行DI・一致DIとも景気分岐点の50%超になったとみられる。
このように景気は基本的に底堅いので、消費マインドはやや過剰にシュリンクしていると見られる。7月分の消費関連のマインド指標はかなり弱かった。
内閣府の消費動向調査で総世帯の消費者態度指数は44.6で、前月に比べ0.6%ポイント、前年同月に比べ4.0%ポイント低下した。内訳も、暮らし向き、収入の増え方、雇用環境、耐久消費財の買い時判断と4項目すべてで、前月差・前年同月差ともに悪化した。この調査の基準日は7月15日。台風4号上陸や16日の新潟県沖地震発生で最悪時期の調査となった。
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