SOX法を誕生させた2人の議員が語る――たった1つの規制がもたらした衝撃サーベンス氏とオクスリー氏が明かす(3/3 ページ)

» 2008年03月12日 09時00分 公開
[Michael S.Mimoso,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

SOX対策への投資は決して高くない

 サーベンス氏はこの条項について、初期コストが大きな負担だったことを認める。というのも、監査人は実態のあるリスクに目を向けるだけでは十分でなく、「微に入り、細を穿って」(同氏)チェックしなければならなかったからだ。

 「コンプライアンスへの取り組みを開始した人々は、その努力に見合う十分な価値が得られると考えており、改善されたシステムの運用が始まれば、快適性や安全性がはるかに高まることを認識している」とサーベンス氏は話す。「より優れたシステムへの投資は、ITの資本投資と見なければならない。システムを構築するためにはそれなりのコストが要求されるが、いったん完成すれば、コストは年々低下していく。実際、最初は不満を述べていた人々も、システムの運用開始とともに、それが企業に利益をもたらし、経営の改善につながることを実感するようになる」(同氏)

 オクスリー氏によると、すでにフォーチュン500社のほとんどの企業が規制に対応しており、必要な支出と初期コストも徐々に低下しつつあるという。

 「われわれの目的は、投資家の信頼を取り戻すことだ。投資家の信頼を測る基準は、マーケット以外にない」とオクスリー氏は語る。「そしてマーケットは改革にポジティブに反応した。投資家たちはゲームに戻り、すべてがよい方向へ進んでいる。コスト的にはどうか。ワールドコムは一夜にして消滅し、株価は60ドルから1ドルに下落した。1社で1000億ドルが吹き飛んだ計算だ。われわれの経済は、あと何社のワールドコムの破綻に耐えることができるだろう? もしワールドコムかエンロンのような会社の破綻を1社でも回避できるとすれば、コスト的には極めて妥当なものだと考えることができるはずだ」

前のページへ 1|2|3       

Copyright© 2007 TechTarget, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆