ITmedia 野副社長個人に関することをお聞きしますが、お好きな言葉をお聞かせ下さい。
野副 好きな言葉は「臥薪嘗胆」です。臥薪嘗胆には重要な意味が込められています。先程申し上げましたが、2003年度にソフトウエアサービスの担当を命じられました。しかし、中々成果が上がらなくて2年間は赤字が続きました。それだけ問題の根は深かったということです。3年目の第一四半期になり急に業績が良くなってきました。黒川前社長から「野副さん、何故業績が良くなったのか教えてくれ」という内容のメールが送られてきました。それまで、悲観的な説明しかしなかったのに突然業績が好転してきたので不思議に思うのは当然です。それで、じっくり考え、生まれた答えが「臥薪嘗胆」。その一言をメールで送りました。
ITmedia 富士通の標語は「夢をかたちに」ですが、野副社長の夢をお聞かせ下さい。
野副 全従業員が誇りに思うような会社に仕上げることです。
ITmedia 野副社長の展望とか信念について伺いました。とはいえ、しばらくは厳しい経済状況が続くと思います。コストカットとかIT予算の削減が現実になってきます。そのような現実を踏まえ、富士通はどのようなプロダクト、サービス、信頼関係を提供していくのでしょうか。
野副 常にお客様起点経営を唱えながら富士通が動いていることを、お客様と共有できるかが重要です。富士通の独りよがりではなく、お客様のためにやっているというメッセージを常に考えながら、メッセージを流し続けることが重要だと思っています。
FSCの完全子会社化を発表してから、世界のさまざまな大手企業から、さらに深い関係を持ちたいというようなお申し込みをいただいています。
ITは今後、さまざまな分野で浸透していくと考えていますが、そのとき顧客とその先にいるお客様、ベンダーの関係を劇的に変える可能性があります。それが「イノベーション」だと断言してもいいと思います。富士通は常にそのイノベーションの先頭にいたいと思っています。
- サービスの押し売りや顧客のご用聞きは低次元の営みだ
景気悪化に伴い多くの企業がIT投資を抑えようとする中、システムを提供するITベンダーは「ただ単に物を売る」というビジネス構造から脱却を図る必要がある。「システムインテグレーターの枠を超える」と標榜するNTTデータの荒田和之取締役常務執行役員に、ユーザー企業の動向を振り返ってもらった。
- 売るのはソフトではない、「チームワーク」だ
企業情報の共有/活用は、ビジネスの礎である。グループウェア大手、サイボウズの青野社長は自社のコアコンピタンスを「チームワーク」に据え、エンドユーザーに価値を提供するという。
- 日産自動車の新たな“挑戦”――「日産GT 2012」
2008年5月に発表した決算で、2009年3月期の連結純利益が2期ぶりの減益に転じると発表した日産自動車。そんな同社を新たな成長軌道に乗せるために策定された5カ年計画が「日産GT 2012」だ。
- 消費者の買い控え傾向は追い風だ
価格比較サイトを運営するカカクコムは、景気後退により買い控えが鮮明になりつつある消費者の「買い物を失敗したくない」という心理をすくい上げ、右肩上がりの成長を続けている。安田幹広取締役COOは「商品に対する消費者の目は鋭くなる傾向にあるが、これは追い風だ」と言い切る。
- 耐えながら攻める――アウトプットを最大化する情報基盤
カシオの矢澤篤志業務開発部長は、厳しい経営環境の中で攻める姿勢を保ち続けるための情報基盤を整えたと話す。
- できる人なら楽しめる「正解のない時代」
三菱地所は、丸の内再開発の一環として、日本経済再生をリードする新事業の創造を世界視野で支援するという「日本創生ビレッジ」を運営している。世界から集まる起業家の多くは、いま押し寄せる不況を楽しんでいるようにさえ見えるという。
- 自ら考え創意工夫を重ねることが、今求められている
東レの情報システム部門長、重松直氏は「厳しい時期には創意工夫をいかに凝らしていくかが大切。部門にとっての成果とは何かを常に明示していきたい」と話す。
- ビジネスの本質と顧客満足へこだわりが成長の礎に
「短絡的な経営体質に陥ることのないよう、今こそ本質にこだわるべきだ」とシマンテック社長の加賀山進氏は話す。骨格となる事業領域でのパートナー、顧客との信頼が生き残る術になるという。
- 未曾有の金融・経済危機、今こそITの出番
大規模なシステム統合プロジェクトを完遂したメガバンクの雄、三菱東京UFJ銀行は、百年に一度という金融危機の中、生き残りを賭けて、さらなる経営改革に取り組む。根本常務執行役員情報システム部長は「ITの出番は多い」と話す。
- 潜在化と巧妙化が進む脅威には“クラウド”が効く
2008年は事業を左右する機密情報を狙ったサイバー攻撃が激増。厳しい経営環境を勝ち抜くには、企業システムを適切に保護するセキュリティ対策の重要性が増すとトレンドマイクロ取締役の大三川彰彦氏は話す。
- 情シス部門が主役になる日
ソニーは2008年末、大規模な人員削減を発表した。コスト削減の圧力が強い一方で、情報システムを長期的な成長エンジンとして位置づける。ビジネス部門に積極的に提案をするようなIS部門を目指すと話すのは長谷島眞時CIOだ。
- 「IT部門の再生工場を目指す」――ITR内山社長、2009年の展望
金融危機の影響を避けられない2009年、企業のIT投資は縮小傾向になるとITRの内山社長は話す。「新規投資ができない時こそ、人材育成に労力を注ぐべき」だという。
- 「資産としてのIT」――だからこそ大切に、そして活用は戦略的に
マイクロソフトの執行役常務の佐分利ユージン氏は、ITは企業の資産であると定義し、プラットフォームベンダーとしてその活用をサポートしていくことが責務であると宣言する。
- 景気後退期に生まれる新しいビジネスを支えていく
業務パッケージソフトで知られる弥生株式会社。景気後退が叫ばれる中「今年は楽しみでしょうがない」と言う岡本浩一郎社長に話を聞いた。
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