20世紀の大量生産、大量消費の時代は幕を閉じ、21世紀は市場の細分化により消費者一人一人に焦点を当てたマーケティングが求められるようになった。今こそ独自性や付加価値を強みにした経営戦略を打ち出すべきだ。
IT経営というと、「ITの活用が優れた企業」ととらえられがちであるが、大きな誤解である。最初にITありきではない。21世紀の厳しい市場で勝ち抜くための経営戦略、ビジネス戦略を打ちたてることが最優先である。それを実現するためにITを効果的に活用する、ということが前提となる。
ただし、戦略とIT活用の間には大きなギャップがある。現実的には戦略を立案して効果的にIT活用につなげるのは難しい。ともすればIT活用が独り歩きしてしまうことになりかねない。わたしは戦略とIT活用をつなげる方策として中間にビジネスモデル革新、マネジメントモデル革新を企画・立案することを提唱している。つまり、戦略、ビジネスモデル、マネジメントモデルが三位一体となってIT活用と結び付くことで、企業が継続的に競争力を向上させることができる、という図式である。
経営戦略やビジネス戦略を遂行するためにビジネスモデル革新を行うことの重要性は最近、一般に議論されるようになってきた。だがマネジメントモデルに対して日本企業、特に中堅中小企業の関心は薄い。マネジメントモデルが優れていれば、企業の組織やチームの活性化が図られ、やる気創造が起こってビジネスモデルを進化させていく大きな力となる。ビジネスモデルが固定的であれば、競争力は一過性のものになってしまう。市場の変化にすぐに適合するビジネスモデルを変革させる力はマネジメントモデルが握っているのである。
2004年から3年間、経済産業省・IT経営百選選考委員会が中小企業のIT経営モデルとして認定した270社の企業は、これら4つの要素、「戦略」「ビジネスモデル」「マネジメントモデル」「IT活用」がバランスよく高いレベルにある(認定企業の詳細は、アイテック刊「IT経営百選データブック」「IT経営百選データブック2」参照)。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授