世界各都市を対象にした国際金融センターランキングによると、ロンドン、ニューヨークに続き、香港がランクインした。上位10都市のうち半数がアジア地域となった。
アジア開発銀行(ADB)が9月22日に発表した報告によると、中国やインドなどの経済大国が予想以上の回復を見せていることから、アジアの発展途上国全体の成長率は2009年で3.9%に達する見込みだ。
アジア銀行の発表した「2009年アジア発展見通し更新版」によると、国際的な金融経済危機に対応するためにアジア各国政府が取った措置はすばやく効果的であり、アジア地域の金融システムへの大きなダメージは回避された。アジア地域の経済大国の回復は比較的速く、世界経済の環境は引き続き悪化しているが、アジアの発展途上国経済は、世界を経済低迷から回復させる役割を果たしているという。
アジア発展途上国の経済成長率
同報告では、中国経済の今年通年の成長見通しが7.0%から8.2%へと引き上げられた。中国が打ち出した大規模な経済刺激策と適度に緩和された金融政策によって、中国経済に対する世界経済減速の影響がやわらげられたことが考慮された。
報告によると、東アジアと南アジアの今年の成長率はそれぞれ4.4%、5.6%に達し、アジア地区回復の先頭に立つ。インドの経済成長率も6%と予想されている。このほかのアジア地区の成長率は比較的低い水準にとどまり、東南アジアの成長率は0.1%、中央アジアの成長率は0.5%となる見込みだ。同じくアジア開発銀行の調査対象となった太平洋諸島の成長率は2.8%とされた。
2010年の成長予測は6.4%
報告によると、アジアの発展途上国の経済成長率は2010年もさらに高まり、6.4%となる見込みだ。中国の2010年の成長率は8.9%とされ、中国経済が2010年に経済刺激策や国際経済の回復によって高成長を続ける見込みである。
だが国際経済の回復の勢いはそれほど強くなく、経済成長に対する輸出の貢献には限りがあるとみられるため、経済成長のけん引力の中心は投資と消費になる。
世界各都市の金融センターとしての競争力ランキング「国際金融センター指標」(GDCI)が9月23日に発表された。1位は英国・ロンドン、2位は米国・ニューヨークで、3位には前回4位の香港がランクインした。アジアの都市の躍進が目覚ましく、上位10位のうち5位を占めた。大陸部都市のランキングも上昇し、深センが5位、上海が10位、北京が22位につけた。
調査対象となったアジア11都市のうち、香港とシンガポールはいずれも評価点が上昇し、1位のロンドンと2位のニューヨークに迫った。今回初めて調査対象となった深センは、一気に世界5大金融センターの仲間入りを果たした。
上海も前回の35位から10位に躍進、北京は上位10位には入らなかったものの、前回から29位も順位を上げて22位となった。
今回の調査では4つの世界的金融センターの発展が目覚ましく、他都市をけん引した。
国家税務総局はこのほど、高収入の業種と高所得者に対する課税を今後強めることを明らかにした。中国ではこれまで、賞与を一般の月収とは別に計算する課税方法が取られていたが、課税方式の統一が発表され、これに対する関心が一気に高まった。
賞与に対する課税方法は2005年に調整された。賞与を単独月の月収として税率を決めていたそれまでのやり方を、賞与を12で割った額に相応する税率で課税額を決める方式に改められた。その際、賞与額に年末の手当てや業績手当てが含まれることも明確にされた。
今回、雇用者が給付した交通費補助や通信補助に対する個人所得税政策は調整されておらず、各地の税務機関は今後も、現行の規定通りに課税することになる。中国の個人所得税法ではこれらの補助に対して個人所得税を課税することが定められている。
※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。
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明治学院大学 経済学部准教授