ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
勝ち残る企業のための“不老チャート”(1/2 ページ)
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
2009年の暮れに「経営の教科書」というタイトルの本をダイヤモンド社から出版した。わたしとしてはおそらく27~28冊目の本である。「売れ行きはいかに?」と様子をうかがっていると、予想を裏切る出だしで、1カ月以内に2回の増刷を重ねた。八重洲ブックセンターやアマゾンのベストセラーリストに顔を出したりもした。もっとも前者が10位、後者が9位だから、正しくはベストセラーではなくグッドセラーというべきだろう。いずれにせよわたしとしては魂を込めて書いた本だけに嬉しいことである。
285ページにおよぶ内容の本であるが、中身をギリギリに凝縮したエッセンスが次の「勝ち残る企業づくりの流れ」というフローチャートである。
生き残る会社ではなく、勝ち残る会社に
そもそも企業は3つに分類される。第一は「つぶれる会社」、第二が「生き残る会社」、そして第三が「勝ち残る会社」である。経営者にとって最低の責任は会社をつぶさないこと、さらには、わが社を勝ち残る会社にすることである。それならば勝ち残る企業づくりのためにはいかなる条件を満たす必要があるのか。この問いに対する答えがこのフローチャートである。
一目瞭然とは思うが、念のため右から左への流れで簡単に解説する。企業が果たすべき最終的な責任の対象は言うまでもなく株主である。株主の出資なしには株式会社は存立し得ない。従って、企業は株主責任を果たして株主満足を実現する必要がある。株主満足の根源は株価と配当であるが、株価を上げ配当をキチンと払うことができるためにはわが社の業績が良くなければならない。売り上げ、なかんずく利益を出す必要がある。
業績が好調であるために絶対忘れることのできない条件は右から3つ目の「顧客満足」である。「Value for Money(価格に対する価値)」という英語の表現がある。顧客は自分が払った価格に対してふさわしい価値を感じたときに、満足感を抱く。価格を上回る価値を実感したときには感動を覚える。顧客満足を果たした企業は生き残ることができ、顧客感動を実現した企業は勝ち残る企業となる。顧客満足を果たせない企業は時間の問題で、市場からの退出を迫られる。
話はだんだんと経営の本質に迫る。企業の存続のために最も重要な条件としての顧客満足、さらに欲を言えば顧客感動を実現するためには、実現を図る当事者である社員の品質が高くなければならない。仕事力というスキル面と人間力というマインド面で、優れた社員は優れた商品をつくり、優れたサービスを顧客に提供する。必然的に顧客満足が発生する。マインド(人間力)は、信頼、尊敬、意欲の3つで説明できる。その社員が人から信用、信頼、尊敬される人であるか。意欲や情熱は高いか否かということである。
わが社の社員の品質(スキル・マインド)を高めて、保ち続けるために欠かすことができない根本条件は、流れの1番左の経営者品質である。“魚は頭から腐る”ということわざがロシアにある。魚が腐るときは、尻尾からは腐らない。頭から腐る。同様に、会社が腐るとすれば新入社員からではなく社長から腐る。経営者から腐る。逆も真なりで、会社が光るためには社長、経営者が光っていなければならない。経営能力に優れ、高いリーダーシップを身に付けて発揮していなければならない。
このフローチャートの流れを見事に実現している会社が倒産するということはまずあり得ない。活性化した若々しい会社であり続ける。年をとらない。年をとらないから“不老チャート”である。そして、年をとらないための原点は経営者品質、即ち社長の経営能力が高いということである。
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