三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画

三菱商事は8月24日、カナダのペンウェストエナジートラスト(PWE)が所有するブリティッシュコロンビア州コルドバ堆積盆地のシェールガス開発プロジェクトに参画する契約をPWEと締結したと発表した。

» 2010年09月01日 16時14分 公開
[ITmedia]
環境メディア

 三菱商事は8月24日、カナダの大手エネルギー会社であるペンウェストエナジートラスト(PWE)が所有するブリティッシュコロンビア州コルドバ堆積盆地のシェールガスを中心とした天然ガス開発プロジェクトに参画する契約をPWEと締結したと発表した。

 シェールガスは、有機物に富んだ泥土が堆積してできた根源岩と呼ばれるシェール(頁岩)層に閉じ込められている天然ガス。膨大な埋蔵量がある半面、浸透性が極めて低い地層に貯留されているため採掘が難しく、これまで開発されてこなかった。しかし近年の技術革新によって低コストで大量生産できるようになり、新たな天然ガス資源として脚光を浴びている。

 同契約は、三菱商事の取締役会での承認ならびにカナダ政府の承認をもって発効する予定で、契約発効後はPWEが当該鉱区に所有するシェールガス資産、在来型天然ガス資産、関連する天然ガス処理・輸送設備の50%を三菱商事が新たに設立するカナダ子会社が取得し、PWEと共同で組成する非法人合弁事業体を通じて開発・生産を推進する計画。

 PWEはコルドバ堆積盆地で最大のシェールガス資産を有しており、2006年から試掘を実施している。同契約の対象となる鉱区のシェールガス資産は、日本の年間天然ガス需要を大幅に上回る約5〜8兆立方フィート(LNG換算約1〜1.6億トン以上)と推定されている。契約発効後は当該鉱区でのシェールガス資産開発を進め、生産量を現在の日量約0.3億立方フィートから2014年には日量約5億立方フィートまで引き上げたい考え。三菱商事は同社の持分ガスを同社出資の米国ガスマーケティング会社などを通じて、北米市場で販売する。

 同契約に基づく取得費用は、既存資産50%の取得対価である約250百万カナダドル(約201億円)に加え、今後の開発井掘削費のPWE負担分のうち約200百万カナダドル(約161億円)を同社が追加負担するため、合計で約450百万カナダドル(約362億円)となる。また、今後15年間の同社負担事業費は約3000億円を想定している。

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