放置されたタダ乗り迷惑社員をクビにできないか生き残れない経営(3/4 ページ)

» 2010年11月09日 07時47分 公開
[増岡直二郎,ITmedia]

 彼らが、「タダ乗り」社員の予備軍だ。どこの集団にも、不満を持ち、無気力で、失望にとりつかれ、私生活中心の奴はいるだろう。しかし、それがいきなり「タダ乗り」にはつながらない。そのうちの何割かが、「タダ乗り」に堕落するのだ。その証拠に、生き馬の目を抜くような製造現場や営業の第一線に、たとえ不満や失望があっても「タダ乗り」が生息する余裕などない。管理部門だって、ギリギリの人数で運営する活気がある職場には生息できない。

 ましてや、少人数の構成で、必死でやりくりするSMBも同じだ。そういう職場では、草食系社員も冷めていられない。しかし、弱点をもつ集団、規律の弱い部署、人材に余裕のある部署は、「タダ乗り」が生息する余地がある。「タダ乗り」が上記4供給源から発生し得る典型的ケースは、4つある。こうした組織面と管理面から分析することにより、それぞれについて「タダ乗り」解消の根本策を探りたい。

 1.ヒガミ組織(周囲が蔑視し、構成員自身もヒガミ意識を持つ組織。例えば、他部門の後始末を業とし、スィーパー的役割を担う部署、あるいは企画部などと称し、閑職を集められた部署などだ。そこは、負の意識が充満し、管理者も伝統的に覇気がなく、「タダ乗り」が出ても黙認する。管理者本人が、「タダ乗り」のケースさえある。対策はない。管理者を変えるしかないが、適任者が見当たらない。)

 2.寄せ集め組織(例えば、組織拡大とか、新組織創設などで構成員を他部門から集めた場合、一般的にその80%は他部門の持て余し者が供出されて来る。彼らは上記4分類のいずれかに当てはまる連中だから、「タダ乗り」に転ずる可能性、いや最初から「タダ乗り」になり得る。この悲劇を、わたしは何度か見てきた。ものすごい悲劇だ。構成員募集の際は当該部署の総帥が他部門に指名をしたり、拒否権を発動したりする毅然とした姿勢を示すのが、対策の始まりであり、すべてだ。)

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