求む「失敗したことある人」ヘッドハンターの視点(2/2 ページ)

» 2011年01月14日 07時52分 公開
[岩本香織(G&Sグローバル・アドバイザーズ),ITmedia]
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 そういった意味でA社のようなところで“タフ”な経験をした社員は“大変だ”と思うまでの許容範囲が広く、ちょっとやそっとのこと動じません。最近はメンタルタフネスも採用のポイントとなりますが、それを1時間の面接で見抜くことはなかなか難しいです。そのため「あのタフなA社で数年頑張れた人なら、うちの大変さなんてなんでもないはず!」と評価され、転職市場では人気が高いのです。逆に「あそこは製品力があるから楽でいいよね」と言われている企業の方は転職市場では“個人の経験”を評価してもらうことはかなり難しいのです。

 また、以前ITバブルに沸くシリコンバレーの多くの企業では中途採用の要件に「失敗したことがある人」と記載がありました。「失敗した=チャレンジした」という考え方です。

 「失敗した」の反対は「成功した」ではなく「失敗しなかった=チャレンジしなかった」ということなのです。また成功は“運”かもしれませんが、失敗には必ず“原因”があります。失敗を失敗として諦めずに、原因を究明、解決するならばその過程において知恵や知識を与えられ将来の大成功につながります。

 成功体験には全て有効期限がありますが(「いい人は悪評とともに」を参照してください)、失敗体験をどうとらえるかは人罪と人財の分かれ道です。ラッキーなことに選択権は自分にあります。

著者プロフィール

岩本香織(いわもと かおり)

G&S Global Advisors Inc. 副社長

USの大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)入社。東京事務所初の女性マネージャー。米国ならびにフィリピンでの駐在を含む8年間に、大手日系・外資系企業のビジネス/ITコンサルティングプロジェクトを担当。 1994年コーン・フェリー(KFI)入社、1998年外資系ソフトウェアベンダーを経て、1999年KFI復帰、テクノロジーチーム日本代表。2002年〜2006年テクノロジーチームAsia/Pacific代表兼務。2010年8月KFI退職。2010年9月より現職。


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