見えるクラウドを目指して、新日鉄ソリューションズ、大和総研、パナソニック電工インフォメーションシステムズのユーザー系IT企業主体で、アライアンスクラウド検証センターを開所
「クラウドは、ユーザーがまったく意識せずに使えればいいとは思っていません。見えるクラウドを目指して、本日アライアンスクラウド検証センターを開所しました。」
大和総研 専務取締役の鈴木孝一氏は、大和総研ホールディングス、新日鉄ソリューションズ、パナソニック電工インフォメーションシステムズの3社で立ち上げた「アライアンスクラウド検証センター」の開所式の冒頭でこのように述べた。ITシステムの世界は属人化しており、ある種の職人技で成り立っている。クラウドコンピューティングもその1つであり、自分たちではコントロールできないものになっていると指摘する。
一方で、システムダウンで長時間サービスが停止したり、大規模な情報漏洩事件が発生したりと、専門の技術者を要しているような大手企業でもトラブルは後を絶たない。こういったトラブルの原因は「属人化による、個別最適化の積み重ねからくるものだ」と鈴木氏は言う。個々には最適化されていても、システム全体としては最適化されていない。結果的に大きなトラブルを引き起こす原因になるのだ。この解消には、ガバナンスを実施し、ユーザー側がコントロールすることが重要だ。
ガバナンス、コントロールを取り戻すためには、「お作法を統一する必要がある」と鈴木氏。統一すると自由が利かなくなると感じるかもしれないが、これは属人化を排することであり、属人化こそが企業の自由を奪っている。ITは所有からクラウドコンピューティングという利用の時代になることは確実であり、さらにその上でガバナンスとコントロールをユーザー側が実現する時代にきている。「今回の検証センターが、そのための第一歩になると」考えているとのことだ。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授