自社を推薦してもらうことは、決して難しいことではありません。実際、推薦してもらうことは、極めて自然な事でもあります。人は、本能的に他人に好ましい経験を知らせるという性質を持っています。この性質は、最適な狩り場に関する情報を交換し合うことで生き延びていた原始時代の名残だと考えられます。もし誰かに何か良いことをしてあげれば(例えば、顧客を丁重に扱えば)相手は自然と何か素敵なことをしてお返ししたいと思ってくれます。
この時が、推薦してもらえる可能性が最も高い時です。小規模事業主の63%以上が、自分の事業のほとんどが紹介によって支えられていると考えているにも関わらず、皮肉なことに、ほぼ80%が紹介してもらうための正式なシステムを持っていません。ほとんどの場合、彼らは偶然紹介してもらっているのです。これは完全に受け身の態勢です。紹介してもらうためには、できるだけ積極的に紹介してもらえるよう求めなければなりません。
では、最も成功している企業はどのようにして紹介してもらっているのでしょう? 最初に、顧客との約束を果たすことで顧客から信頼を獲得し、顧客に頼れる存在だと思ってもらいます。次に、社員を顧客と同じように扱います。最後に、顧客サービスを最優先にするよう社員を訓練することで、「推薦してもらう文化」を作り出すことに力を注ぎます。このような企業は常に自分達に対し、「何を売ることができるだろう? 」という一般的な問いかけではなく「どのように尽くすことができるだろう? 」という問いかけを行います。
人に情報を伝えたがるという行為は、人間にとってごく自然の事のようです。つまり、人に対して行った事をその人が快く思えば、その行為をまた第三者に伝えようとするわけであり、またその逆もしかりです。
つまり、人に対して常に細かなサービスを心がけているのであれば、それをシステム化することが必要ということがいえます。
正しい姿勢と慣習を持った企業は、推薦してもらえるよう要求する方法を学びます。そして臆することなく積極的に要求することができます。このような「インバウンド推薦」を得られる企業は、取引を得るために多額の資金を広告に投じる必要がありません。顧客の方から寄って来てくれます。多くの場合、このような企業は自社製品やサービスを割り増し価格で販売することが可能で、顧客もその金額で満足してくれます。
顧客に紹介してもらえるようお願いする時は、紹介をすれば、顧客が顧客の友人や家族、仕事仲間に何かメリットを与えることになると説明してください。このように表現することで、顧客に手助けをお願いしているのではなく、その反対で、顧客が周りの人に良く見られる手助けをすることになるのです。紹介をお願いする絶好のチャンスは、顧客が自社製品やサービスを手放しで絶賛したり、頼みもしないのに推薦状を送ってきたり、大きな問題を解決してくれたと喜んでくれたりした時です。
また、プロジェクトを成功させた時や、戦略的パートナーが新しい専門グループや事業者団体に参加した時などは、遠慮することなく紹介をお願いしましょう。このようなチャンスは大いに活用しなければなりません。また、推薦に関していえば、「受け取るよりも与える方が更に良い」といわれています。推薦をしてもらうつもりなら、相手を推薦する準備を整えてください。
次に記すのは「理想的な顧客のライフサイクル」です。この7段階のサイクルを使って見込み客やクライアントを理解し、推薦してもらうチャンスを発見してください。
推薦のチャンスを得る!! :理想的な顧客のライフサイクル 7ステップ
1、知る:市場が見込み客に自社について教えてくれる。競合相手よりも目立つこと
2、好きになる:もし店やウェブサイトで目にするものが好きじゃなければ、顧客は離れて行く。常に良いイメージを与えること
3、信頼する:自社製品やサービスに対し、時間をかけて見込み客に安心感を持ってもらうこと
4、試す:顧客が大きな購入をする前に、製品やサービスを試せるようにすること
5、買う:優れた製品やサービスを売ることができても、仕事は半分しか終わっていない。時間通りに配送し、素晴らしいサービスでバックアップしなければならない
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授