ビジネスパーソンとしてダメな人はまじめではない人、真摯さのない人である。ではそのような人を改善することはできるのだろうか?
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あなたのまわりに調子よく「やります」と答えるものの、「やったか?」と聞くと、「いえちょっと時間がなくて」といつも言っているような人はいないだろうか。ビジネスパーソンに必要なのは、何よりも真摯(しんし)さや真面目さではないかと最近感じている。今回は、そのことについて話したい。
<事例>
あるITサービス企業の営業部のF課長は、部下のOくんのことで悩んでいた。O君は元気で、いい調子で答えるものの、なかなか実践しようとしない。
先週の定例会議で、O君はみんなの前で言った。
O君:僕のクライアントが新規事業を始めるようなので、そのサポートの仕事をぜひとってきたいと思います。
F課長:そうか、期待しているよ。がんばってくれ。
翌週の定例会議でF課長はOさんに聞いてみた。
F課長:先週言っていた君のクライアントの新規事業の件だけれど、どうなった?
O君:今話しているところです。待ってください。
F課長:そうか。来週報告してくれ。
その翌週の定例会議。
F課長:O君、あの件、どうなった。
O君:いや、それがまだ。
その翌週の定例会議
F課長:O君、あれはどうだ?
O君:いやまだ。
O君はそう言ったまま、押し黙ってしまった。F課長はどうしたものかと考えてしまった。
O君は自分で「クライアントの新規事業をとってくる」と言っておきながら、実際にはそれをそのままにしてしまった。
「約束を守る」ということは当然のことながら、ビジネスパーソンとして基本である。逆に約束を守らなければ、ビジネスパーソンとして最低、失格である。
ビジネスパーソンとしてダメな人は、まじめではない人、真摯さのない人である。それは上司だろうが、部下だろうが、どんな立場にある人でも変わらない。みな同じである。
話が少しそれるが、先日落語家の立川談志氏が亡くなった。多くの人が悲しんだと聞くが、義理や礼儀をとても大事にした人だったと聞く。何かやってもらった人には必ず礼状を書き、感謝の意を必ず伝えたそうだ。
映画監督やタレントなどマルチに活躍する北野武氏にも同じことが言えるかもしれない。いろいろな毒舌を吐くが、その中に愛がある。何かやってもらった人には心から感謝の意を述べる。真摯さ、まじめさを重んじているのである。
一方で、最近ニュースをにぎわしている、オリンパスや大王製紙の問題。経営者がまじめでないと、組織全体の方向を誤り、組織が大きな迷惑を被る。経営者がまじめであるかどうか、真摯であるかどうか、それは企業にとって死活問題である。
能力がある、ない以前に真摯さを持つことが欠かせない。
それでは、具体的にまじめさ、真摯さがないと、どんな行動を取るだろうか。
1、約束を守らない:口では「やる」と言っておきながら、それを平気で破る。O君もこの部類に入る。決して悪い人ではないが、言ったことをやらないという事態になる。
2、逃げる:何か問題にぶつかったり、先に進めないと思うと、そこから逃げてしまうのである。それを乗り越えようと挑戦したり、立ち向かっていこうとしない。
3、責任をとりたがらない:2番目につながるかもしれないが、何か問題が発生した場合に、自分の責任としてとらえない。自分で責任をとりたくないので、誰かのせい、他責にする。
4、文句ばかりを言う:ポジティブな側面を見るのではなく、マイナスな面に目を向け、文句、不平・不満を口にする。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授