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» 2012年02月15日 08時00分 公開

階層構造からの脱却海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/4 ページ)

[エグゼクティブブックサマリー]
エグゼクティブブックサマリー

3つのラティス・ウェイ

 格子状のキャリアパスを取り入れることで、3つの分野に選択肢とオプションが生まれます。それらは「ラティス・ウェイ(格子状のやり方)」と呼ばれ、企業がプロセス、システム、文化を階層構造から格子構造に移行するために対応しなければならないものです。

格子構造の取り入れ方を知る

 1、キャリアを構築する方法

 労働者は今、社内でのキャリアを上、下、横と多元的にカスタマイズしており、キャリアの焦点は目標達成から、成長し、マーケティング能力を伸ばし、大きな目的達成に貢献するために強くなることに変わってきています。

 2、仕事のやり方

 仕事はもはや「行く場所」ではなく、「するもの」です。知識労働やサービス業の増加に伴い、従業員は特定の場所に縛り付けられなくなっています。仕事のやり方を選べるようにしている企業は、パフォーマンスが向上しています。

 3、参加を促す方法

 格子状のキャリアパスを持つ企業は、従来のトップダウンの階層的ルールが持つ限界を持つことなく、内部の人間関係や共同作業、意思疎通を促進しています。このような企業は誰でも受け入れる文化を大切にし、中身や期待するものが似ている労働力から、あらゆる意味でずっと多様性の高い労働力へ進化しています。

 ラティス・ウェイは一体化し、統合されたカスタマイズ可能なモデルを作ります。そして、そのモデルは、考慮すべき事柄がそれぞれ異なることから、人によってモチベーションを得られる要因が違う(あるいは、同じ人でもタイミングによって違う)ことを認めるものです。価値を獲得できるかどうかは、さまざまな生活状況やまったく異なる成功観を持つ、今までよりはるかに多様化した従業員のやる気を引き出す企業の能力にかかっているのです。

 「格子状キャリアパス」……それを実践していくためにはまずは、このラティス・ウェイを学ぶ必要があるようです。従来の考えとはかなり異なるものがあるのでまずはここの3項目をしっかりと理解しましょう。

格子状のキャリア構築方法

 格子状のキャリアパスでは、上、下、斜め、横に動くことができます。その中で従業員は、自分の仕事上の願望と個人的なニーズを、会社の目標や業務上の要件と合わせる方法を選ぶことができます。また、従業員は市場が求めるスキルを身につけることができます。自分のキャリアを組織内で自由に動かすことができることで、従業員はどのような仕事でもこなせるようになり、戦略的な柔軟性を高めることができます。

 「マス・キャリア・カスタマイゼーション(MCC)」は、会社と自分の人生の変化するニーズを考慮しながらキャリアを構築するための、柔軟な解決策を与えてくれます。MCCを取り入れることで、管理者は、従業員のキャリアのカスタマイズに役立つ計画表やプロセスを作ることができます。

 MCCの骨組みは、「昇進ペース、仕事量、仕事場所/スケジュール、役割」の4つの次元から構成されています。MCCグラフは、ある決められた時点での、従業員個人のキャリアと私生活の選択肢を示します。従業員は、キャリアと私生活のさまざまな段階で、ステレオのつまみを回すようにこのグラフを高くしたり低くしたりして、選択肢を調節することができます。このようにさまざまな時点で作られたグラフを並べると、従業員のキャリアへの関与のレベルが「正弦波」のように上下していることに気が付くと思います。

 上司と一緒に取り組むことで、従業員は、仕事上の目標と私生活の状況の変化に応じて、4つの次元それぞれに対する取り組みを大きくしたり、小さくしたりすることができます。MCCは、一回限りあるいは断片的な解決策ではなく、拡張性があり釣り合いのとれた、柔軟なシステムを提供してくれます。そして、それによってキャリアと私生活の適合が促され、どのような代償が伴うのか分かりやすくなり、人材管理や人材開発が促進されます。

 上下関係で行動をするのではなく、そのプロジェクトを達成するためにそれぞれの専門知識を駆使しながら同じ土俵の上で協業していくシステムが「格子状のキャリアパス」です。

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