素晴らしいプレゼンは15分で完了する海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(2/3 ページ)

» 2012年02月22日 08時00分 公開
[エグゼクティブブックサマリー]
エグゼクティブブックサマリー

問題と解決策

 プレゼンテーションの内容を考えるには、問題を提起し、その解決策を考えてください。課題を指摘し、それに対応してください。疑問を取り上げ、それに答えてください。7分間の興味深いスピーチを行うには、次の手順に従ってください。

7分間スピーチで絶大な効果を上げる5ステップ

 1、つかみ

 聞き手が抱える主なビジネスに関する問題は何か考えてください。聞き手の心をつかむことから始めてください。まずはシンプルに、例えば、「○○についてご心配されていることと思います」といったフレーズで始めることができます。これにかける時間は30秒です。

 2、プレビュー 

 ここでは言いたいことを要約してください。要点はシンプルにし、3つに絞ってください。聞き手の問題を解決することのできるアクションを3つ紹介してください。ここでかける時間も30秒です。

 3、プレゼンテーションの本論

 3つの要点それぞれについて、詳細を手短に説明してください。一緒に簡潔な裏付けとなる証拠も提供してください。比ゆや明確な情報同様、ストーリーやエピソード形式で話すと効果的です。続いて、個々の要点を説明し、適切な例を提供してください。ここでかける時間は約5分間です。

 4、まとめ

 3つの要点をまとめてください。ステップ2を繰り返してください。

 5、行動を呼びかける

 ここではプレゼンテーションの要点を繰り返し伝え、例えば、聞き手は何をするべきか、あるいは自分は何をするつもりか、説明してください。ここでは最後の30秒間を使います。

 プレゼンのコンテンツで必要なものが「問題提起」と「解決策」の提示なのです。最初にこのプレゼンでそれを全体の構成とともに述べなければなりません。

聞き手の心をつかむ

 聞き手が直面せざるを得ない具体的な課題や、聞き手が最も気にかけているトピックに的を絞ってください。聞き手が何に関心があるのか分からないのなら、学んでください。事前に聞き手それぞれに質問しましょう。映画「ジョーズ」を参考にしてください。ジョーズは、海で泳いでいた若い女性が何ものかに襲われ、食べられてしまうところから始まります。映画が始まってわずか2分で、観客は引き込まれてしまいます。目指すのはこれです。

 例えば、聞き手が「6カ月以内に新たな収益として1000万ドルを生み出さなければならない」という課題を抱えているとします。その場合、つかみのセリフには、「われわれは今、6カ月で1000万ドルの収益を上げる責任を課せられています。これから私は、どうすればその責務を果たせるか説明しましょう」というものが考えられます。聞き手に、プレゼンテーションを通して聞き手の問題を解決する手助けをすることができるのだと知ってもらうことが重要です。さもなければ、誰も話を聞いてくれません。

 聞き手へのインパクトは重要な要素です。つまり聞き手が興味を持っていること、思わず聞きたくなる情報をつかみ、それに沿った形で話をしなければなりません。

3つの要点

 誰でもそうであるように、聞き手は聞いたことを忘れてしまう傾向にあります。そのため、覚えておいてほしい主なメッセージを3つに絞ることが重要です。メッセージは短く、興味深いものにしてください。メッセージはそれぞれ、バンパーステッカーのように最大で6文字から8文字にまとめてください。例えば、「節約できます」などが考えられます。要点それぞれについて簡潔に詳細を説明してください。どのような詳細を説明するか決める際は、聞き手がするだろう質問を想像し、その質問に対する答えを考えてください。提供する情報はできる限り明瞭で、分かりやすいものにしてください。プレゼンテーションが終わった後に、聞き手が頭をかく姿など見たくないはずです。

要点をつくこと! キーワードでも良いと思いますがそれを3つ、できれば6文字から8文字と言っています。日本語なら5文字か7文字という気もします。なぜなら日本語のリズムは奇数だからです。短歌や俳句を思い浮かべてください。5―7―5または5―7―5―7―7で成り立っています!

繰り返し伝える

 3つの要点に注目してもらい、それを補強する説明をしたら、要点を繰り返してください。雄弁であるかどうかを心配するのではなく、覚えてもらえるかどうかを心配してください。覚えてもらうことが、あらゆるプレゼンテーションにおいて極めて大切なことです。

 もちろん、人間は情報をすべて記憶することができないのですから繰り返し重要なことは伝える必要があります。

プレゼンテーションの目的

 人は、自分の声を聞くためや聞き手の時間を無駄にするために人前で話すのではありません。しかし、残念なことに、ほとんどのプレゼンテーションがそのような結果に終わっています。プレゼンテーションは、行動を起こさせるために行うのです。聞き手に自分のアイディアに賛同してもらい、積極的に支援してもらうために行うのです。

 プレゼンテーションを終えた後、聞き手に尋ねたい質問が2つあります。それは「これから何をすればよいですか?」と「次はどのような段階になりますか?」です。このような考え方をしてもらうには、自分が求めるものを聞き手に正確に要求することが重要です。例えば、「お願いがあります。このプロジェクトの予算案、50万ドルを承認してもらえないでしょうか? 進捗状況に関する報告を3カ月後にします」と要求しましょう。

 プレゼンの目的を明確にしましょう。

 ここで言及しているように話を聞いてもらうことではありません。行動を起こしてもらうようにすることです。そのためにどうしたらよいのかを考えた内容にしなければなりません。

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