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» 2012年03月07日 08時00分 公開

好かれるソーシャルメディアの力海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(2/3 ページ)

[エグゼクティブブックサマリー]
エグゼクティブブックサマリー

適切で、心得たつぶやき

 2010年、著者のデーブ・カーペンは、6時間のフライトの後で疲れてストレスを感じている時に、ホテルのチェックインに長い時間待たされることがありました。そのホテルは、ラスベガスにあるアリアというはやりのホテルでした。カーペンは携帯電話を使ってTwitterに「ベガスに来てどうしてこんなに待たされなきゃいけないんだ。アリアにチェックインするのに1時間以上もかかった」とつぶやきました。

 カーペンは終始不快な気持ちをつぶやきに込めました。それにも関わらず、アリアはそのつぶやきに反応しませんでした。その代わりに、つぶやいた数分後、同じくラスベガスにあるリオホテルが答えてくれました。リオはカーペンにアリアはやめて自分のところへチェックインするよう勧めるのではなく、「そのような不快な思いをされ、お気持ちお察しいたします。デーブさんにとって、ラスベガスでの残りの滞在が素晴らしいものになりますよう、お祈りしております」と返事をしたのです。

 次にラスベガスへ行った時、カーペンはリオに泊まりました。そして、Facebookの「いいね!」ボタンを使って、リオは素晴らしいホテルであるとFacebook上の友人3,500人に伝えました。その後、友人の1人がラスベガスにいいホテルは無いかと尋ねて来た時も、リオを勧めました。

 このように、たった数行のつぶやきが、リオホテルに何千ドルもの新たなビジネスをもたらしたのです。カーペンによるFacebookの「いいね!」ボタン効果は他の友人にも作用し、リオに対して好意的な印象を持つようになりました。リオは、オンライン・ソーシャルメディアの素晴らしいコミュニケーション能力と接続性から恩恵を授かったのです。このように、オンライン・ソーシャルメディアは、ユーザーの「好き」「嫌い」を瞬時に何百、何千、あるいは何百万人ものユーザーと共有することを可能にしてくれるのです。

 著者の実体験によるTwitterとFacebookの活用ですね。ポイントとなるのは筆者ではなく、リオホテルの戦略です。「売る」のではなく「共感」することによって、間接的に利益につなげる!これがオンラインを通じた口コミ戦略の一つなのです。そしてそれを実現したのがソーシャルメディアなのです。

「いいね!」ボタンの威力

 2010年4月、Facebookは「いいね!」ボタンを導入しました。それ以来、Facebookに登録しているユーザーと組織によって、200万件以上のウェブサイトにこのボタンは設置されました。この「いいね!」ボタンは、600万人を超すFacebookのユーザーに、自分のお気に入りのコンテンツをオンライン上の友人に見せることを可能にするものです。この機能によって、動態的で建設的なオンライン口コミマーケティングが生まれています。今、他のソーシャルメディアでも、Facebookの「いいね!」ボタンと同じような機能を取り入れています。

 ソーシャルネットワークは、テレビやラジオ、新聞や雑誌などの従来のメディアの視聴者や読者が減っている中、その数を増やしています。そのため、今日の消費者に訴えかけるには、マーケティング担当者は、メッセージを載せる場をソーシャルメディアに移さなければなりません。最も人気のあるソーシャルネットワークには次のものが挙げられます。

最も人気のあるソーシャルネットワークとは?

Facebook

 最も人を引き付けているオンライン・ソーシャルメディアです。個人のプロファイルが登録できるなど、便利な機能を複数提供しています。ユーザーが他のユーザーを「友人」として承認すると、お互いのページを閲覧することができるようになり、多くの場合、お互いの友人の情報も見ることができるようになります。また、誰でもあらゆる題材で「Facebook・インタレストグループ」やファンページを立ち上げることができます。これは、企業や組織、有名人や著名人に広く使われている機能です。

 また、「いいね!」ボタンなどのソーシャルプラグインを個人のウェブサイトに設置することが可能です。そのウェブサイトの閲覧者はそのプラグインからFacebookのページに飛ぶことができます。また、地域を代表して「Facebook・プレイス」というページを作ることもできます。マーケターは多くの場合、自分の会社用にFacebookページ(旧ファンページ)を作り、Facebookから会社のウェブサイトへ飛べるようソーシャルプラグインを設置します。このようにFacebookは、ターゲットの消費者と繋がるための素晴らしいツールなのです。

Twitter

 このマイクロブログサービスは、最大で140文字の短文でコミュニケーションするものです。この短文は「つぶやき」と呼ばれています。2011年の時点で登録者数は200万人に達しました。誰か特定の人に直接つぶやくには、メッセージの頭に@を付け、その後に相手のアカウント名を載せます(例、@DaveKerpen)。検索機能を使えば、オンライン上でどのような会話がされているのか、あるいは、自分の会社や製品についてどのようにいわれているのか検索することができます。Twitterを使えば、自社のものと類似した製品やサービスを購入している消費者について、きちんと理解することができるようになります。

YouTube

ウェブ上で最も人気のある動画共有サイトです。YouTubeを使えば、自社製品やサービスを紹介することができます。投稿した動画の中には急速に広まるものもありますが、広めることが最終目標ではありません。ターゲットの視聴者が自社の動画を確実に視聴するよう仕向けることが大切です。

LinkedIn

 これはいわば、オンライン上の名刺交換機です。100万人以上のビジネスパーソンや専門家が登録しています。従業員の採用と確保や産業連携に便利なサイトです。また、自分と同じ分野の専門家仲間を見つけることもできます。企業間取引を行うユーザーに人気のサイトです。

Blogosphere

 現在、インターネット上には1億5千万件ものブログが存在します。自分の会社の専門技術を紹介するために立ち上げてください。立ち上げたら最低でも週に2度は更新してください。

特化型ソーシャルネットワーク

 プロでもアマでも写真を載せられるFlickrや、音楽好きのためのMyspaceなど、特化型のソーシャルネットワークが何百と存在します。他にも、Affluence.org(アフルエンス.org:超富裕層向け)や、ドッグスター(愛犬家向け)などがあります。また、アンジーズ・リストやトリップ・アドバイザー、イエルプなどはレビューを投稿するソーシャルネットワークで、ピンポイントの消費者グループと会話をすることができる、ニッチサービスを提供しています。

 「イイね」ボタンはFacebookの大きな特徴の一つですが、その他のソーシャルメディアにもさまざまな便利ツールがたくさんあります。ここでは各種ソーシャルメディアの特徴について紹介していますので、これらを複合的に組み合わせながら利用してみるのも良いかもしれません。

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