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» 2012年03月07日 08時00分 公開

好かれるソーシャルメディアの力海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/3 ページ)

[エグゼクティブブックサマリー]
エグゼクティブブックサマリー
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最善のソーシャルメディア戦略

 ソーシャルメディアの世界は流動的です。後から後から、何千ものさまざまな選択肢が生まれ、心躍るようなサイトや機能が新設されます。自分のビジネスを宣伝するためにどのオプション、あるいはオプションの組み合わせを採用するべきか決める際は、次の効果が実証された9つの戦略を取り入れることを考慮してください。

効果実証済――9つの戦略を知る!

まず話を聞き、そのまま聞き続ける

 ソーシャルメディアマーケティング計画の最初の段階は、聞くことです。オンライン上では毎日のように企業やブランド、製品やサービスに関する会話が飛び交っています。そこにはもちろん自分の会社が含まれています。その会話をよく聞き、そこから学んでください。ソーシャルメディアは「参加型メディア」です。参加するには、話を聞かなければなりません。お気に入りのソーシャルメディアに行ってください。検索機能では、自分の会社に最も関連のあるキーワードを入力してください。見つけた会話に細心の注意を払いましょう。

今までより的確にターゲット消費者を特定する

 ソーシャルネットワークは、登録ユーザーに関する包括的な人口動態的情報を構築することができます。Facebookの広告プラットフォームを使えば、マーケターは600万人のユーザーを無料でターゲットにすることができます。LinkedInでも同じようなことが可能です。また、Twitterの検索ページでは、自社の製品やサービスに関する情報を明確に求めているユーザーを見つけることができます。

 例えば、「緑色の靴が欲しい」と検索バーに打ち込み、自社製品やサービスと同じようなものを求めている消費者をターゲットにしてください。キーワードは自社が扱っているものなら何でも構いません。このようにして得た顧客との接点をビジネス的に実りのあるものにするには、オンラインコンテンツを消費者にとって好ましく魅力的なものにしなければなりません。「どのようなコンテンツなら「いいね!」ボタンを押したくなるだろう」と考えてください。

消費者のように考え、行動する

 消費者にとって意味のある情報を取り扱ってください。例えば、パンパードシェフ社のウェブコンテンツは、同社ブランドを宣伝するものではなく、消費者に関することや消費者の関心ごとを取り扱っています。

 また、オマハ・ステークス社の「テーブル・トーク」というオンラインコンテンツは、主要な顧客であるエンターテイメントとスポーツを楽しむ中高年の男性が興味を持っている題材を集中して取り上げています。例えば、ゴルフ、サッカー、旧作映画、1960年代の音楽を扱っており、そこに時々ステーキが登場します。このような的を絞ったコンテンツが、オマハ・ステークスのファンを増やしています。そして、そのファンが堅実な売上を支えているのです。

顧客を最初のファンにする

 顧客を自社の最初のファンにし、その次に従業員、ベンダー、ビジネスパートナーにもファンになってもらってください。以前は、個別のウェブサイトから自社サイトへ繋がるリンクが重要でした。しかし、今は、「いいね!」の数がものを言います。「いいね!」の数が多ければ多い程、より多くの人にサイトに来てもらえるようになります。「いいね!」を増やすには、質問に答えたり新しい情報を提供したりするなど、メリットのある価値命題を考えてください。

顧客と本当の意味での会話を持つ

 消費者の会話に対し、誠実な関心を示してください。顧客の会話を誘導するには、Facebook上に自社ブランドのコミュニティを立ち上げましょう。そうすることで、自社ブランドに興味を持ったユーザーをコミュニティに引き入れ、同じような考えを持った他のユーザーと繋がりを持つ機会を提供することができます。

 また、顧客は、オンライン・コミュニティを使ってお互いに助け合っています。例えば、通常は企業のカスタマーサービスが対応するような問題への解決策を提供し合ったりしています。しかし、オンライン上での顧客の参加と役に立つブランド・コミュニティは、たまたま生まれるのではありません。オンライン・コミュニティを作り、運営するには、社内から1人以上の専門家を選任し、担当させなければなりません。

信頼を得る

 残念なことに、多くの企業のカスタマーサービス部門や顧客ケア担当者は、信用を失くすことに長けているようです。しかし、ソーシャルメディアは、顧客ケアをより上手に行うチャンスを提供してくれます。顧客ケア担当者にオンライン上でもっと個人として顧客と接することを許可すればするだけ、その担当者は顧客の目により信頼できる人間として映ります。

 オマハ・ステークス社のオンラインの顧客ケア担当者は、ブランドの影に隠れた人に常にライトを当てています。Twitter上でオマハ・ステークスと会話をする人にとって、同社は顔の見えない精肉会社ではありません。その理由は、同社のスタッフが、「みなさん、こんにちは。素敵な日曜日ですね。私はポールと申します。何かお困りのことはありませんか?」とつぶやいたことがあることからもわかります。

誠実さと透明性を持つ

 最近のことですが、あるニューヨーク州上院議員がカーペンにFacebookの友人申請を送って来ました。カーペンはその上院議員を知りませんでしたが、その申請を承認しました。その後、2人はチャットをしました。しばらくすると、上院議員は、カーペンに自分のキャンペーンに協力して欲しいと求めて来ました。それに対しカーペンは、「あなたはニューヨーク州上院議員ですよね?お金を集めるためにFacebookで議員のふりをしている職員やボランティア活動家ではありませんよね?」と返しました。

 カーペンによる徹底的な質問に対する返答はありませんでした。しかし、その後、この「上院議員」は、本当はスタッフアシスタントであり、ネット上で上院議員のふりをしていたことを認めました。このような不誠実な行為は命取りになります。ネット上では常に誠実に振舞い、完全に透明性を持たなければなりません。

ソーシャルメディアを顧客経験全体に取り入れる

 ある日、カーペンの携帯電話にfoursquareから次のようなメッセージが送信されて来ました。「マーク・ジェイコブスからプレゼント! メーシーズ・ヘラルドスクエア店にて、250ドル相当のシャワージェルなど素敵なギフトを詰めたトートバッグをプレゼントするキャンペーンを行います。是非お越しください」。

 カーペンは喜び、従業員にプレゼントをもらいに行こうとメールで誘いました。しかし、店舗に行くと、店員はキャンペーンのことを何も知りませんでした。カーペンと従業員はがっかりしましたが、さらにひどいことに、メーシーズの店員はカーペン達が無料で商品をもらおうとキャンペーンの話をでっち上げたとまで言い出したのです。

 しかし、その約1時間後、メーシーズのマネジャー2人がやって来て、間違いだったことを伝えました。キャンペーンは違う日に行う予定だったのです。マネジャーはカーペン達に香水のサンプルをプレゼントし、後日マーク・ジェイコブス社長に直接謝罪の電話をさせると約束しました(果たされませんでしたが)。

 同じような間違いを犯してはいけません。顧客はこのような不快な経験をFacebookに書き込むことで、ブランドのイメージを損なわせることができるのです。オンラインキャンペーンや活動をする際は、その詳細をきちんと従業員に伝えてください。

決して売り込まない! 顧客にとって買いやすく、さらに買わずにはいられないものにする

 小売店は店内での買い物をできるだけシンプルにしようと努力しています。オンライン上の顧客にも同じことをしてください。オンラインの小売店の中には、個人のFacebookのニュースフィードから直接商品が買えるようにしている所があります。しかし、彼らのような抜け目のない小売業者はFacebook内で商品の売り込みはしていません。ソーシャルメディア上で販売活動を行う際は、この方法を取ってください。便利なFacebookのアプリケーションには、8thBridge.com(エイスブリッジ.com)やShopTab.net(ショップタブ.net)などがあります。

 ここに書かれていることは、ごくあたり前のことばかりなのです。もちろん、それはソーシャルメディアを運用するために独自のものではなくビジネスを行う上で、特に今の時代においてはリアルの現場においても十分に活用できることなのです。そう考えるならば、オンラインであれオフラインであれ、基本的にビジネスはどんな場面においても全く同じであると言えます。それだけネットとリアルに垣根がなくなってきていると言えるのではないでしょうか?

著者紹介

デーブ・カーペンは、ライカブル・メディア社のCEOです。同社は48社しかいないフェイスブックの優先開発コンサルタント(PDC)のうちの1社です。


プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長

鬼塚俊宏氏

経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。


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