20世紀における人間の大発明の1つがコンピューターである。それは一家に一台といわれていたテレビをはるかにしのぐ勢いで、社会構造そのものになくてはならないほど浸透している。その及ぼす影響とは。
この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。
この要約書から学べること
シナリオ立案コンサルタントである著者のリチャード・ワトソンは2つのせめぎ合う思いを持っています。まず、ワトソンはデジタル技術が人間の脳や社会に与える悪影響について警告を発しており、そのような悪影響が招く恐れのある結果に対し、人は十分に注意を払っていないと懸念しています。
その一方で、同じ技術がもたらす未来の可能性に心を躍らせています。心で思うことで機械を動かしたり、あるいは薬を飲むことで精神機能を高めたりできる未来は、サイエンス・フィクションのユートピアでの話のようです。
しかし、どのようなユートピアでも人の心を陥れるディストピアに変わってしまう可能性を持っています。これこそが、ワトソンが本当に心配していることであり、読者に伝えたい知識なのです。未来派やサイバーカルチャー、デジタル技術あるいは人間社会の倫理に興味のある方に本書をお勧めします。
20世紀における人間の大発明の1つがコンピューターでしょう。わずか数十年前に開発された未来の機械であったコンピューターが21世紀の幕開けと同時に、急激にわたしたちに大きな社会変化をもたらしました。それはまるで、一家に一台といわれていたテレビをはるかにしのぐ勢いでごく当たり前のようにわたしたちの生活、いや、社会構造そのものに無くてはならないほどにまで浸透しています。
コンピューター、それはかつては電子計算機といったイメージのものであり、人間が手作業ではできない複雑な計算をするものでした。しかし、時代を経て、コンピューターは漢字で書けば「電脳」と呼ばれるように、人間の「脳」と同じ働きをする機械の箱としての認知をされるようになりました。そして、その箱は、計算ばかりではなく、文章を書き、絵を描き、そして他人と会話するためのツールとなり、さらには、世界中のあらゆる情報を集約した基地となっています。
人類史の中で最も急速に人間の世界に浸透したコンピューターという人工の「脳」はこれから先、どこに向かって進み、わたしたちの生活にどのような影響を与えていくのでしょうか?
この書のタイトル「フューチャーマインド」とは、コンピュータとわれわれの将来に渡る関係や、今後どのように付き合っていくのがベストな選択であるのかについて、言及しています。急激に発展しつつあるものがゆえに、それに拒否反応を多く持っている人も少なくないはず。しかし、それを受け入れ、上手に付き合っていかねばならないのは誰もが知るところです。
そういう意味では、コンピューターにアレルギーを持っている人にこそ、読んでもらい、今後のコンピューターとの付き合いを真剣に考えてもらう事が大切なのではないかと思います。
Copyright© 2014 エグゼクティブブックサマリー All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授