部下は何を褒められるとうれしいのだろうか?
37歳は35+2歳なのか、40−3歳なのか?――連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」は、40代以降を充実して生きるための100個のルールをまとめた書籍「あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール」の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。
あなたは、部下を褒めているだろうか。
部下を褒めるのは、簡単そうで意外と難しい。それ故か、日本では部下を褒める上司が少ないのが実情だ。まず、自分を考えてみるといい。あなたは社会人になってから、何度くらい上司から褒められただろうか。片手以上あるのなら、それはとても上司に恵まれた人だと思う。
部下を褒めるのは、褒めることが目的ではない。部下が行ったことに対して褒めるのだから、何に対して褒めているのかが明確でなくてはならない。例えば、あなたの部署は営業担当だったとしよう。部下のおかげで今月は売上が大いに伸びたとする。そのときに、あなたはどうやって部下を褒めるだろうか。
「売上が上がった。よくやった」
これで部下に響くだろうか。きっと褒められたことは分かると思うが、何をやったことが褒められているのかが明確ではない。つまり効果的に褒めるためには、普段から部下を見ている必要があるということだ。観察すると言うと言葉が良くないかもしれないが、部下が何をやっているのか、どういう振る舞いをしているのか、活動状況はどうか、客先ではどうしているのか、といったことを知っていなければならない。
整理すると、大まかに2種類の情報があるはずだ。1つめは1日当たり何件のアポイントがあるか、何人のお客様に会っているか、お得意様にはどれくらいの頻度で訪問しているか、といった数字で確認できる情報だ。当然のことだが、営業成績のいい部下は、足繁く客先を訪問しているものだ。それを具体的に数字で把握する必要があるということだ。これらは、週次、あるいは月次で確認することが可能だ。
もう1つは英語で言う「behavior」、つまり行動、振る舞いといった、数字で確認できないことだ。こちらは、後で確認しようとしてもできない。その時々に知っておかないことには、把握できないのだ。
だから、いわゆる「ほうれんそう(報告、連絡、相談)」が密に行われることが必要になるし、時には自ら客先に同行するといったこともするべきだ。どこが良かったから、どういう行動が売上につながったのか。せっかく褒めるのなら、相手にも喜んでほしい。そう考えることで、あなたのbehavior=行動も変わるはずだ。もっと部下を観察してみよう。
大木豊成著
明日香出版社
1470円(税込み)
40歳を目前にした世代が、悩んだり困ったりしていることに対して、人生経験豊富な著者がアドバイスする。ソフトバンクグループで培った仕事術の他、家族、キャリアなどについて、100項目で指南する。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
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明治学院大学 経済学部准教授