自分のため、部下のため、会社のため――あなたは何のために部下を叱るのだろうか?
37歳は35+2歳なのか、40−3歳なのか?――連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」は、40代以降を充実して生きるための100個のルールをまとめた書籍「あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール」の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。
あなたは部下をちゃんと叱れているだろうか。
世の中には、部下を叱っているつもりで、実は怒っているだけの人が少なくない。叱ることの目的を忘れて、自分の感情をむき出しにしているにすぎないのだ。怒鳴り散らした結果、社内の雰囲気が悪くなり、ときには部下が精神的に病んでしまうことまで起きている。それは叱っているとは言えない。叱るためには、叱る目的を忘れてはいけないのだ。
叱る場合も褒める場合と同様に、あるいはそれ以上に部下を観察している必要がある。今回起きた問題は、部下が全面的に悪いのか、それ以外の要因があるのか、それとも客先側の事情なのか、といったことをきちんと見極める必要がある。
もし、そんな時間的猶予などないのであれば、本人にきちんと事情を聞く必要がある。そのときは、もちろん感情的になってはいけない。焦っている部下に上司が感情的に質問したら萎縮してしまう。そうなると本当のことが分かりづらくなってしまう。
部下を叱る前に考えないといけないのは、現在どういう状態であるかだ。部下が把握している状態を聞き出すことが先決であれば、叱るよりも聞き出すことに注力しなくてはならない。もし、それがすでに終わっていて、部下がいきさつを報告にきたのであれば、丁寧に叱ってあげることが必要だ。この「叱ってあげる」ことが、なかなかできていない。
叱ることは部下のためであり、ひいては部門や会社のためになる。そう考えながら叱ることが必要だ。部下に真剣に向き合って叱る。そして、今後はどうすべきなのかを悟らせてあげることが必要だ。「今度からはこうしろ」と指示してしまっては、その部下は自分で考えて行動しなくなってしまう。部下に考えさせる叱り方でなくてはならないのだ。
最近多いのは、パソコンに向かいながら部下を叱るケース。これは非常に良くない。部下から見れば、自分の方を見ないで、ついでに叱っている感じがする。自分と向き合ってくれていないように感じるのだ。それでは、部下は本気で反省をしないだろうし、今後どうすれば防げるのか、などといったことに考えは及ばないだろう。
部下と正面から向き合い、目を見ながらしっかり叱る。目を見ていれば、相手が理解できているのか、あるいは戸惑っているのかが分かる。
部下は、本気で叱ろう。
大木豊成著
明日香出版社
1470円(税込み)
40歳を目前にした世代が、悩んだり困ったりしていることに対して、人生経験豊富な著者がアドバイスする。ソフトバンクグループで培った仕事術の他、家族、キャリアなどについて、100項目で指南する。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授