普通の人間にとって常に全力投球することはなかなか難しい。力の入れ加減や入れ方、入れるポイントを重視することで「最強の会社員」になれる。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
日本の労働慣行は、世界中を見渡しても他に類を見ない、ガラパゴス的なものである。青田買い→終身雇用→年功序列→定年というワンセットの労働慣行は、キャッチアップ型の経済構造の中で、人口が一貫して増加基調を辿り、高度成長が30年以上にわたって持続した特殊な経済環境の元で初めて成立した社会システムであった。これからの世の中の流れ(グローバリゼーション)についていけるとは、到底考え難い。今後は、企業も個人も、より競争力をつけて、日本の将来に貢献していく必要があると考える。
「仕事は6勝4敗でいい」では、自分のアタマでしっかりと考え(ちきりん「自分のアタマで考えよう」という名著がある)、自分自身が成長し、また会社の成長にも貢献できる社員の「行動原則」をまとめている。この本をまとめるにあたっては、筆者の日本の大手生命保険会社での34年間の経験、海外の現地法人の社長としての日々、また、ライフネット生命という戦後初、74年ぶりの独立系生命保険会社の起業の道のりの中での、さまざまな経験がベースとなっている。
世の中には、どのようにすれば成功するか、成功するためのコツ、最強の組織の作り方など、成功や最強、つまり「勝利」、を、どのように手にするかの自己啓発やビジネス本の類が溢れ返っている。著名人の成功秘話や、大手会社の成功の法則など、実にさまざまな「法則」があり、正直、どれから読み始めればいいか分からない人が多いのではないかと思う。
その中で、「仕事は6勝4敗でいい」では、普通の人間にとっては常に全力投球することは、正直言ってなかなか難しいという観点から、力の入れ加減や入れ方、入れるポイントなどを重視することで、「最強の会社員」となるための行動原則をいくつか紹介している。
そもそも、「最強の会社員」とは、どのような人材なのであろうか。まず、そこから考える必要がある。
「最強」を国語辞典で調べると、「もっとも強いこと。もっとも強いもの。」と記してある。では、「最強の会社員」は、誰よりも強く、賢く、難しい仕事を完璧にやりこなす会社員のことであるだろうか。最近「僕たちはガンダムのジムである―世の中は1%の「すごい人」(ガンダム)ではなく、99%の「その他大勢(ジム)が動かしている」という本を読んだが、筆者は、どのような時代であっても、仕事を得て、自分でごはんを食べていける人こそが最強の人であり、「最強の会社員」とは、万が一の時にも再就職先に困らない会社員のことだと考えている。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授