「40代」を後悔している人がもっとも多く、ついで「30代」。テーマ別では人生最大の後悔ネタこそ「結婚」だった。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
まさか自分が「結婚本」(ビジネスパーソンのための結婚を後悔しない50のリスト)を書くことになろうとは思いもよりませんでした。しかも、出版してみればアマゾンの恋愛・結婚部門ではメンタリズムの「DaiGo」とトップ争いとなっているではありませんか。そもそもこの「結婚本」を出すきっかけになったのが、「40代を後悔しない50のリスト」「30代を後悔しない50のリスト」という自著でした。
これらは、わたしがリクルート社での営業マン時代、そして独立して創業したオーダーメイドの企業研修を手掛ける会社を通じて、ヒアリングしてきた1万人を超えるビジネスパーソンの「後悔」をリスト化した本です。下から目線の本だったためか、シリーズで20万部を超えるヒットとなりました。
1万人インタビューによれば、年齢でいうと「40代」を後悔している人がもっとも多く、ついで「30代」だったのですが、年齢ではなく、テーマ別にすると「結婚」を後悔している人の数が顕著に高いことが分かりました。人生最大の後悔ネタこそ「結婚」だったのです。
結婚を機にうまくいく人と、ダメになる人がいることからも分かるように、先人たちの後悔が集中するのは、仕事以上に結婚だったというわけです。結婚特有の後悔で、諸先輩たちの言葉が特に印象的だったのは、「チリツモ」(塵も積もれば山となる)というフレーズでした。しかもこの「チリツモ」、分類してみるとザックリ次の6つになります。
夫婦間がギスギスしてしまったり最悪離婚といった結末になってしまうのは、たった1つの出来事によってではなく、日々の不満の積み重ねであることを意味しているに違いありません。家事の分担、金銭感覚の違い、子育て哲学の違い、お風呂の入り方、タオルの使い方、挨拶、返事の仕方までもが夫婦関係をギスギスさせ、チリは積もっていくのです。
結婚が難しいのは、仕事のようにプロジェクトが終わればメンバーは解散とか、職場でだけ良い顔を見せればOKというわけにはいかない、日常そのものだからです。恋愛というのは、ある意味お互いの良いところだけを見せて切り抜けることもできますが、結婚ともなれば、相手の親との付き合い、親戚との付き合いという、人によっては煩わしい類の人間関係も避けて通れなくなります。
「結婚と恋愛は違う」とはよくいわれることですが、同時に恋愛の真っ最中にあっては、これほど「耳に届かない」フレーズもありません。もう20年以上前の未婚だった頃、叔母から「結婚と恋愛は違うのだから、結婚は嫌いなところのない人を選べ」と言われたことがあります。
その言葉は当時のわたしにはとっても違和感があって、「そんなこと言ったって、好きだって感情や愛情が臨界点を超えなかったら、そもそも結婚しようとなんて気が起きないだろうに……」と心の中で思ったものでした。もちろん、頭では叔母の言わんとしていることは分かりましたが、なんか現実的過ぎて興ざめしてしまい、とても共感できるものではなかったのです。
しかし、50歳になった今、婚期を迎えた姪たちにかつての叔母と同じようなことを言っている自分がいるではありませんか。結婚において愛情は必要条件ではありますが、十分条件ではないことに気づくのは結婚した「後」なのです。「愛情だけで何とでもなる」というのは非常に美しい言葉ですが、現実はそう簡単でもありません。
結婚について回る後悔というのは、「相手選びの間違い」と思われますが、これは必ずしも正しくありません。もちろん、早々に離婚して新しい相手を探すほうがいい場合もありますが、ほとんどの後悔は相手への関わり方と関係しているのです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授