なぜ部下は育たないのか、を解決する。大企業も小企業も、性別や能力、意志、やる気に関係なく部下育成ができる。どんな部下でも結果を出させるための方法があった。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。
多少の経済回復は見え隠れする中、昨今は多くの企業で「人材育成」の必要性が注目されている。わたしは研修セミナーなどを通じて、社員数20万人を超えるような大企業から50人程度の小規模企業まで、あらゆる業態の企業のマネジャーと話をしているが、業態や企業規模を問わず彼らの共通した悩みがあった。それは何か。「20代の部下たちの考えていることがさっぱり分からない」という事実である。
情報化が進み、時代のスピードが急速になっているからだろうか。以前だったら上司が部下について「分かろう」などとしなくても、問題なく仕事を教えることができた。しかし今は、仕事について新米なだけでなく、上司であるマネジャークラスと若い部下の間には大きな溝が生まれており、それを埋めることが極めて困難な状況にある。その原因は、基本となる価値観や教育環境の違いである。
その背景は今回省略するが、会社を維持、発展させていく上で、若手人材の育成は避けては通れない問題である。世間では「新人類」「ゆとり世代」とも呼ばれる部下を、マネジャーはどうやって指導し、彼らとともに業績を伸ばしていけばいいのか。そこに手を打たないままでいたら、マネジャーも部下も必ず潰れてしまう。
ただし、よくある一般的なマネジメント手法において、結果だけを見ようとする。それは大きな間違いである。結果は「行動の連続」「行動の積み重ね」によって生まれるもので、結果を変えるには、そこに至る行動を変えなければいけない。わたしの提唱する「行動科学マネジメント」は結果だけでなく、結果を生むプロセス、すなわち人間の「行動」そのものにも目を向け、具体的に分析しそして無理なく目標を達成させる手法だ。
そんな中、ここ数年「より若いマネジャー層に向けた行動科学マネジメントの本が欲しい」というリクエストが多く寄せられるようになり、今回新しく書き下ろしたのが本書「行動科学マネジメント入門」である。部下を育てながらも自身の業績アップを求められるという難しい立場に置かれたマネジャーに、寄与するところは大きいと自負している。主な内容は以下の通り。
プロローグ なぜ、部下が育たないのか?
1章 「できない人」の理由は二つだけ
2章 あなたの「言葉」は伝わっているか? ――正しく動いてもらう技術
3章 「良い行動」を繰り返すには? ――正しく続けてもらう技術
4章 部下を伸ばす三つのスキルと四つのツール
5章 人を動かす「褒め方・叱り方」
6章 チームとして成長していくには?
エピローグ 行動科学で自分自身もケアしよう
最近、たまに「どうして行動科学マネジメントを提唱するに至ったのか」という質問を受ける。何か参考になればと思い、ここでわたしの実体験を紹介したい。
このマネジメントに着目したのは、自社のマネジメントに失敗したことがきっかけだった。会社が急成長を遂げ、まとまった数の新人を採用したまではよかったのだが、彼らを十分に活用するマネジメントができなかった。わたしは当時のさまざまなマネジメント方法を勉強。しかしどれひとつとして抱える問題を解決してくれず、ことごとく失敗に終わり、新人たちは全員去ってしまう。大げさではなく、本当の話である。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授