「やる以上は絶対の勝算を」 任天堂、スマホ本格進出の狙い なぜDeNA? 「ガチャ」は? 岩田社長語る(3/3 ページ)

» 2015年03月17日 21時38分 公開
[岡田有花ITmedia]
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 岩田社長は「アイテム課金のすべてを一律に否定するわけではないが、ビジネスとして行き過ぎの手法が任天堂IPで使われることは望んでいない。スマートデバイスでも任天堂が納得しない方法でビジネスすることはありえない」と話す。

 既存のビジネスモデルにとらわれず、さまざまなトライをしていきたいという。「スマートデバイスのビジネスモデルもどんどん変わっていくはず。その中で子どもを含めて安心して遊んでいただけるものを大事にしながら事業を展開したい。両社で新たなビジネスモデルの発明ができれば最高だ」。

追い込まれているとはまったく思っていない

 両社の出会いは2010年6月。DeNAが任天堂に「モバゲータウン」(現在のMobage)に任天堂IPを供給してもらえないか、と打診したことがきっかけだ。その後も話し合いを続け、今回の提携につながったという。

 「任天堂は危機感から提携を決めたのか」という質問に対して岩田社長は、「メディアには『任天堂は追い込まれている』と書かれることが多いが、追い込まれているとは全く思っていない」と反論。「世の中の変化に対応しなければどんな企業も必ず衰退するという当然の危機感はあるが、危機感から消去法で選択したのではなく、積極的にDeNAを選んだ」と説明する。

 実際、任天堂はさまざまな企業から提携の打診を受けていたという。その中でDeNAを選んだ理由は「情熱」だ。「是非任天堂と一緒にやりたい、という情熱を強くお持ちだった。DeNAが“黒子”になってでも我々と事業したいと言ってもらえ、採り得る戦略のオプションが増えた。任天堂が単独でやるよりずっと魅力的なものが提案できると考えた」。

 アプリの共同開発だけなら他社との提携もあり得たが、「メンバーサービスも共同開発し、専用機のために協力することもいとわず、エース級の人材をあてていただけるというコミットメントをいただいた」ことが決め手となったという。

 「スマートデバイスへの取り組みが遅いのでは」という指摘には「遅いかどうかは数年後のアウトプットで判断されること」と反論。「いろんな出会いや議論、アイデアなどが同時並行的に起きた。タイミングが来たのだと思っている。これが証明できるよう頑張りたい」

 資本提携を通じ、任天堂はDeNAの第2位の株主となる。守安社長は「単純なフィナンシャル上の株主ではなく、業務提携を通じた企業価値の向上につながる株主だ。協業を通じて任天堂のノウハウや考え方を盗む……と言ったらアレだが、ご教示いただき、単独でも素晴らしいゲームが作れるよういなりたい」とコメント。岩田社長は「お互い学び合いましょう」と述べた。

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