超一流といわれる人とは、常に最大の成果を上げることができる人である。それでは、どうすれば超一流になれるのか。
ITmedia エグゼクティブ勉強会に、コンパス代表取締役で「思考の整理家」の鈴木進介氏が登場。著書である「問題解決のためのセパレート思考(フォレスト出版)」に基づき、「なぜ一流の人はシンプル思考なのか?」をテーマにワークショップを交えて話をした。
「ビジネスパーソンやアスリートなどの超一流といわれる人は、シンプルに物事を考え、最大の成果を上げている。一方、非常に優秀で、頭が良く、経歴や実績があるにもかかわらず、最大限に能力を発揮できない人や企業も多い。理由は、考えすぎである。思考を整理するだけで、人や企業の能力を最大限に引き出すことができる」(鈴木氏)
「質問に対し1つの答えを出す人は、シンプルに自信を持っている人であり成長スピードが速い。また、たくさん答えを出しても、その中からシンプルに中心軸を見つけることを意識すればよい。この質問に正解はないが、私の"一流の人"の定義は、"常に成果を出す人"である。ポイントは"常に"という枕詞である」(鈴木氏)
職場が変わる、仕事が変わる、人事異動がある、事業が変わる、どのようなときでも成果を出し続けるのが一流の人である。それでは、どうすれば一流になれるのか。どのような思考法を持てばよいのだろうか。例えば、Googleの共同創業者であるセルゲイ・ブリン氏は、「成功はシンプルから生まれる」という名言を残している。
鈴木氏は、「Googleの創業者が、ここまで明快に言いきっているからこそ、あのスピード感で巨大企業を作れたのだと思っている。はじめてGoogleの検索サイトを見たとき、愛想のない、殺風景なサービスだと思ったが、目的は本当に必要な情報を検索することであり、ほかのニュースやコンテンツはいらないことに気がついた」と当時を振り返る。
また、京セラの創業者である稲盛和夫氏は、「バカなやつは単純なことを複雑に考える。普通のやつは複雑なことを複雑に考える。賢いやつは複雑なことを単純に考える」と話している。鈴木氏は、「ビジネスにおいては、ものごとをシンプルに考えなさいという教訓。"あれも、これも"がんばるではなく、"あれか、これか"の判断が重要だ」と話す。
「シンプル化がもたらすのは、"決断力×行動力"の向上である。ものごとをシンプルにすることで決断が速くなり、適切に行動することができる。諸説あるものの、人が苦しむのは、世の中が複雑に見えるからである。世の中を複雑にしているのは、人それぞれの頭の中である」(鈴木)
例えば、「なぜ、あいつはいうことを聞かないのか」など、人間関係の悩みは多い。しかし、「そもそも人は話を聞くのが嫌いである」と割り切り、その上で何ができるかを考えればよい。「動いてくれるはず」という前提で考えると、ストレスがたまることになる。目標やビジネス、健康面においても同様である。
「独立した当初、苦しい時代は複雑思考であった。飛躍することができたのは、シンプル思考に進化したときだった。常にシンプル化を意識しておかなければ、頭の中はどんどん複雑化する。そこで1日に1度でも、週に1度でも、頭の中をシンプル化する"自分会議"を開催することが効果的である」(鈴木氏)
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授