優れた結果を出す人も、平凡な結果の人も優先順位をもっている。少し考えてみてほしい。現在手に入れている結果は、何を大切にし、何を後回しにした結果か?
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
さまざまなビジネス書や上司が「優先順位をもて」とアドバイスをしています。しかし、忘れがちなのは、「人はみな自分自身の優先順位を生きている」ということです。
優れた結果を出す人も優先順位をもっていますし、平凡な結果の人も優先順位をもっています。
優秀な人は、最初から優れた能力をもっていたわけではないのです。限られた時間とエネルギーを何に配分するのか? というリソース(資源)の配分を適切に判断しただけなのです。
ですから、平凡な人が優先順位を変えただけで、1日で生産性が2倍になる、ということは、よくあります。
優先順位は、仕事や人生の結果に現れます。健康状態、財務状況、スキル、整理整頓、交友関係、経験したこと、などあらゆるものが私たちの優先順位を反映しているのです。
次の質問に答えるだけで、ビジネスが変わったという人たちはたくさんいます。少し考えてみてください。
「現在のあなたが手に入れている結果は、何を大切にし、何を後回しにした結果でしょうか?」答えづらい人もいるかもしれません。
多くの人は「今手に入れている結果」ばかりを気にしてしまい、視野狭窄(きょうさく)に陥っています。多くのビジネスパーソンが「なぜ今その結果になっているのか?」ということが分からぬまま、やみくもに結果を良くすることを追いかけています。
スポーツの競技でいくらやっても勝てない人が、「なぜ勝てないのか?」ということが分からずに、あれもこれもと新しい練習法に手をだしても勝てません。なぜ現在の結果なのか、という現状把握ができていないのに、やみくもに新しいやり方を学んでも、非効率的なのです。
私たちの現在の結果は、これまでの選択によってつくられています。「何かを選んだということは、それを優先させている」ということの現れです。優先させたものを私たちは人生で手に入れているのです。
だから賢明な人は、もっと頑張るのではなく、優先させるものを変えます。より結果が出るもの、より他との差別化ができるもの、より顧客の満足につながるもの、あなたが優先させるものをはっきりと絞らない限り、何も変わらないのです。
ここでは本書「この選択が未来を変える」の中から、優先順位を変えるための4つのチェックリストをお届けします。
重要なものと、重要に見えるものを間違わないようにしましょう。一見とてもよく似ているのですが、半年、1年、3年と経ってくると、「重要なことに取り組んでいた人」と、「重要に見えるけれど、実は重要でないものに取り組んでいた人」とでは、とても大きな差が生まれます。
「重要なもの」とは、あなたの未来を変えるものです。一方、重要に見えるものとは、現在の延長線で終わってしまうものです。
ビジネスパーソンに限らず、主婦でも学生でも、何かしらの責任と期日があって動いています。期日を守らないと現在のポジションが危うくなるかもしれません。そうした責任や期日の範囲だけで生きていると、現在の延長で終わってしまうのです。
あなたの行動のなかに「未来を変えるもの」は入っているでしょうか?
結果を生み出す人は「自覚的な人」です。セールスにせよ、ダイエットにせよ、整理整頓にせよ、経営にせよ、結果を出す人は自分が何をしているのかが分かっています。Aをして、Bをして、Cをした。その結果うまくいくなら、同じことをすればいいし、うまくいかなかったら違うことを試せばいい。自覚的な人は、フィードバックからの修正が早いのです。
逆に、「無自覚な人」は危ういです。
「あれ、今日何したんだっけ?」
「え?なんでこんなにオフィス散らかってるんだ?」
「うそ!いつのまに月末?」
このような現象は何となく日々を送っていることから生まれます。
即効性が高いのは「時間の使い方を記録すること」です。時間の使い方を記録するだけで「なんとなく」を脱することができます。それだけではなく、自分の時間の使い方を記録すると、自分を観察する「もうひとりの自分」が育ちます。これが結果を出す人たちが共通してもっている「メタ認知」という、客観的に自分をみることができる力です。
ただ時間の使い方を記録するだけで、仕事にリズムが生まれ、集中力が増したという報告は多数です。まずは15分ごとに何をしていたか記録してみましょう。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授