サイバーエージェントとテレビ朝日が共同運営し、独自性の強い番組作りが話題となっている。特徴と開局されるまでの開発秘話を聞いた。
2016年4月11日、インターネットテレビ局「AbemaTV」が本開局した。スタートから7カ月弱でアプリのダウンロード数が1000万を超え、2018年1月時点では2600万ダウンロードを突破。サイバーエージェントとテレビ朝日が共同運営し、独自性の強い番組作りが話題となっている。他のインターネットテレビにはないAbemaTVの特徴と開局までの開発秘話についてAbemaTV 開発局 局長 長瀬慶重氏に話を聞いた。
井上 長瀬さんはこれまでサイバーエージェントでどんな事業に携わってきたのですか?
長瀬 前職は通信業界のエンジニアで、2005年にサイバーエージェントに入社し、アメブロの開発に携わりました。2007年に藤田社長がAmebaの総合プロデューサーになって以来、一緒にアメーバピグを作ったり、スマホのサービスを多数作ったりしました。50くらいのサービスに携わってきたと思います。
井上 AbemaTVのプロジェクトにも関わっていたそうですね。そもそも、なぜAbemaTVを立ち上げることになったのですか?
長瀬 AbemaTVをリリースした2016年を私たちは「動画元年」と位置付け、動画サービスをスタートさせました。2016年は、世の中のインフラやユーザーのデバイスが整ってきたこと、FacebookやTwitterなどのSNSで動画を見ることが当たり前になったタイミングでした。
テレビ離れが進んでいるスマホ世代の若年層向けにインターネットテレビを提供し、新しい広告ビジネスを展開しようということで、AbemaTVが生まれました。
井上 2016年4月に開局後、ユーザー数はどれぐらいになったのですか?
長瀬 2018年1月時点で2600万ダウンロードされており、そのうち月間アクティブユーザーが1000万を超えています。
井上 他のインターネットテレビとAbemaTVの違いについて教えてください。
長瀬 NetflixやYouTubeのように自分が見たいものを選択するのではなく、「受け身視聴」ができるサービスになっています。一般的なテレビのように番組表に沿って編成されているコンテンツを放送しているので、ユーザーはバラエティ番組、映画、ドラマやアニメなど番組を選ぶ必要がありません。
アプリを開いたら、いつもニュースやアニメが流れていて、流れているものを視聴する受け身視聴メディアを実現したいというところからスタートしました。
井上 なぜ「受け身視聴」のサービスにしたのですか?
長瀬 定額制音楽サービス「AWA」の事業を始めたとき、音楽が勝手に流れるからこそ、新しい発見があるというユーザー体験を藤田自身が実感したそうです。そのことがAbemaTVの「受け身視聴」に結びついています。
井上 24時間休むことなく放送しているのですね。
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明治学院大学 経済学部准教授