「部下の話」を聞く時間がない、自分のことで手がいっぱいで、かまう余裕なんてない。そんなリーダーに解決の糸口を教えます。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「部下の話」を聞く時間がない、自分のことで手がいっぱいで、かまう余裕なんてない。ということはないでしょうか。話を聞く時間が持てないのは、能力の問題ではありません。そもそも、リーダーのやることが増えているからです。実は、かつて私も悩んだ一人ですが、「力の入れどころ」が違っていたことに気が付けば、解決の糸口が見えて来ます。
今、私は、年間200回程度の企業研修に登壇しています。すると、ほとんどのリーダーは。やはり忙しく、休憩時間もずっと電話かメールの対応をしています。でも、この状態で良い判断ができるはずもないでしょうし、また部下の成長を戦略的に画策する余裕すらないはずです。
この状況の対策は、ただ一つ。もっと「仕事を任せていく」しかないのです。私が書いた『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP出版)』は、そのコツを紹介したい思いで書いた一冊です。今回は、その中から「任せ方」のコツを紹介していきます。
例えば、日々の売上の確認。これを「あなたの参謀」に任せられないでしょうか? 新人の教育も、「他の部署の人」もしくは「部下」に任せられないでしょうか?
プレイングリーダーが、リーダー業務を全うしようとしたら、手分けをして任せていくしかないのです。でも、こう思いませんか。「任せられた人も負担になるのは……」と。
実は、これがそうではないのです。
「もっと、信頼して任せてほしい」「チームでできることはあるのに」、これが部下達の声です。
まず、あなたがやっている業務の中から、あなたがやらなくてもいい仕事を考えてみてください。資料作成、調べ事、進捗の確認などもそうでしょう、自分がやったほうが早そうなことでも、あえて任せることで、あなたの時間を空けることも、リーダーの務めなのです。
【Try】誰かに任せられる仕事を“3つ”紙に書き出してみる
相手によって、任せ方を変えることも必要です。ベテランには「プロフェッショナルな成果」を中堅には「主体性の発揮」を期待し、新人には「不安なく遂行」してもらうことが、任せる時のコツになります。つまり、成熟度によって、任せ方を変えるのです。こうすることで、相手にとっても、任された仕事であっても、やりがいにつながります。
コーチ型:期待する成果を伝え、やり方を一緒に考える。「君なら、どうするのがいいと思う?」「何があったら、もっとうまくできると思う?」「いくつか選択肢を考えてみない?」「やってみたいことはある?」と質問することで、主体性を引出す。参考になるは、コーチングのGROWモデル。
ティーチ型:期待する成果を伝え、丁寧に教える。「この業務を」「このタイミングまでに」「このような方法で」やってほしい、と細かく伝える。大事なことは、「なぜ、これをするのか」とその理由を伝えると、やりがいを感じやすくなる。加えて、「不安や不明な点がないか」を確認し、最後は「復唱(じゃ、確認のために復唱してもらっていい?)」と締めくくる。
【Try】相手の成熟度によって、任せ方を変えてみよう
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授