人は自分の不幸には敏感であり、幸福には鈍感である。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「人は自分の不幸には敏感であり、幸福には鈍感である」と私は思っています。
口内炎があると、早く治ってほしいと誰でも望みます。気になって、自分の舌でちょっと触ってみて、やはり痛いと感じ、大変不愉快な思いをします。口内炎が治れば、いかに幸せであるかと思い、この不幸な状態から脱したい、そして幸せを感じたいとん考えます。しかし、口内炎が治ったとき、「ああ、口内炎が治って幸せだ」と感じ続けるでしょうか。
自分にとって嫌なことがあればそれを不幸と思い、それがなくなれば幸福になれると思っているくせに、実際に嫌なことがなくなると幸せを感じない。人生で「不幸」であるときと「幸せを感じない」ときばかりであれば、いつ幸せを感じるのでしょう。
現代のビジネスパーソンは仕事に忙殺され、時間に流されています。「このままでいいのか」と思いながら行動する時間がない、という人も多いでしょう。でも、目の前の仕事に振り回されている間に、あっという間に定年を迎えてしまいます。長い時間を仕事についやすのであれば、楽しく働きたいと思いませんか?
私は、10年の海外勤務を含めて23年間商社で働いていました。その後、エンタテインメント業界で7年働き、少し早くリタイアしたあとは、ビジネス書の執筆や講演などを行っています。
会社や取引先には尊敬できる先輩が大勢いましたし、講演などでも大変仕事のできる人に何人も会いました。そうした中で、「楽しく仕事をしている」人たちは、共通する次の3つの心構えがあると気付きました。
1つ目は「高い志を持つ」ということ。私が講演会でよく話す例え話を紹介します。
FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、母校のハーバード大学で講演をした際に、1960年代のジョン・F・ケネディ大統領が成功させた月に人を送るプロジェクトを例にあげています。
NASAで働く一人のジャニター(清掃員)が大統領に向かってこう言ったそうです。「大統領、私は人を月に送るプロジェクトのために働いています」
「私は掃除をしています」ではなく、私は人を月に送るプロジェクトに貢献しています」と高い志を持って働いている。高い志を持てば、幸せにつながる仕事ができるということです。
2つ目は、「自ら一歩前に出る」ということです。
仕事のできる人は間違いなく読書家です。読書は時間がかかりますが、その時間に対して得るものは極めて多く、コストが大変安い。偉人・先人が苦労をして感じたことや身につけたことが1冊の本に凝縮されています。 仕事のできる人は、読書をしたり、セミナーに行ったり、いろんな人と交流して、自分を高める学びの機会を持っています。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授