仕事を楽しめる人に共通する3つの気構えビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2019年10月24日 07時21分 公開
[古川裕倫ITmedia]
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 また自分の居心地のよい「今までのやり方」や「コンフォートゾーン」から一歩踏み出し、積極的に変化に向かっていこうとします。常に自分から行動し、一歩前に出ることが大切なのです。

 成功や失敗は行動の結果です。行動しなければ成功もあり得ません。世の成功者はみな失敗を経験してきています。失敗しても前に進むから成功につながるのです。

 有名な言葉ですが、パナソニック創始者の松下幸之助は、「失敗してやめてしまうから成功しない。成功するまでやればよい」と言っています。

何事も自分の心の持ちよう

 3つ目は「何事も自分の心の持ちよう」ということです。

 「今日の天気が良いか悪いかは、自分の心が決める」とはフランスの哲学者アランの言葉です。晴れている日がいい天気だと思う人もいますし、農家にとっては恵みの雨が降る日がいい天気かもしれません。日焼けをしたくない女性にとっては曇りの日がいい天気かもしれません。

 江戸時代の歌人・良寛さんはこう言いました。「満開の花でなくていい。二分咲き三分咲きの桜もきれいではないか、散りゆく花も美しいではないか。満月でなくてもいい。満ちゆく月も、欠けゆく月もきれいだ」

 もっともっと、と求めてばかりでは、常に満足できず不満がつのります。仕事があるということ、仲間がいることなどが「当たり前」ではなく「ありがたい」ことだと思うと、仕事がもっと楽しくなります。

 本書では長い時間をついやす「仕事」というものを、いかに楽しみ、いかに幸福なものとするかについて解説しました。私ごときが言うのでは説得力に欠けますので、本書では『幸福論』を書いた先人の教えも紹介しています。

 アラン、ラッセル、ヒルティの幸福論は三大幸福論として知られています。また、ショーペンハウエル、福沢諭吉、武者小路実篤、ベンジャミンフランクリンなどの良書には、ビジネスパーソンが幸せに働くための金科玉条がたくさんあります。

 同時に、時間の使い方やマインドセットなど、私たちが直面する現代の職場の問題も具体的に挙げてご説明しました。

 幸せに働くことにご興味のある方の一助となれば幸いです。

著者プロフィール:古川裕倫(ふるかわ ひろのり)

54年、大阪府生まれ。早稲田大学商学部卒業後、三井物産に23年間勤務。その間、ロサンゼルス、ニューヨークで通算10年間の海外勤務を経験。00年、ホリプロ取締役執行役員。07年、(株)リンクステーション代表取締役副社長を経て、現在は一般社団法人彩志義塾代表理事、情報技術開発株式会社社外取締役、企業風土改革コンサルタント。

ビジネス書の執筆、講演、研修活動を行い、「世田谷ビジネス塾」「女性社員のための立志塾」を主宰する。

著書に『他社から引き抜かれる社員になれ』(ファーストプレス)、『できる人はすぐ決める!』(大和書房)、『コーチング以前の上司の常識 「教え方」の教科書』(すばる舎)、『女性を活用できる上司になれ』『仕事を楽しめる人は「忙しい」と言わない』(ともに扶桑社)、『あたりまえだけどなかなかできない51歳からのルール』(明日香出版社)、『バカ上司の取扱説明書』(SB新書)など多数。


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