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» 2019年11月20日 07時21分 公開

「等身大のCIO」ガートナー 浅田徹の企業訪問記:【新連載】これからの企業が求めるのはITとビジネスの本質を理解した「ハイブリッド型人材」 (1/2)

1951年の創業以来、さまざまなイノベーションで、顧客の支持を得てきたクレディセゾン。今後もDXにより、革新的なサービスやコンテンツを創造し、さらに50年先まで顧客に寄り添えるファイナンスカンパニーを目指している。

[聞き手:浅田徹(ガートナー ジャパン), 文:山下竜大,ITmedia]
クレディセゾン CIO IT戦略部長の重政啓太郎氏

 「サービス先端企業」という経営理念のもと、クレジットカード業界において、さまざまなイノベーションを実現してきたクレディセゾン。未来を予測することが困難な「VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)」の時代において、全社員が活躍できる組織により、変化し続ける企業を創ることで、顧客や取引先へのさらなる貢献を目指している。

 装いも新たにスタートする企業訪問記「「等身大のCIO」の記念すべき第1回目は、クレディセゾン CIO IT戦略部長の重政啓太郎氏に、これまでのキャリアや大切にしている信条、CIOに求められる要件、これからの人材に期待することなどについて、ガートナー ジャパン エグゼクティブ プログラム(EXP)バイスプレジデントである浅田徹氏が話を聞いた。

ブランドが確立した会社のキャリアパスに乗るのはいや

――これまでのキャリアについて聞かせてください。

 これまでに3度転職をしており、クレディセゾンで4社目になります。大学を卒業して、最初に就職したのはSIベンダーのCSK(現在のSCSK)で、約15年勤めました。最初の2〜3年はプログラミングもしましたが、その後立ち上がった海外事業部門に異動して、買収した英国や米国などの企業でも長く勤務していました。

 1984年にCSKグループになったセガ(現在のセガサミーホールディングス)のゲーム機「ドリームキャスト」の開発に参加して、米国でのローンチに立ち会ったりもしました。

 2001年に、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングに転職しました。約9年いたファーストリテイリングでは、IT活用による生産改革や事業開発などを担当。キャリアの後半は、北米事業のCIOとしてITに関わったり、海外担当としてM&Aに関わったりしていました。その後、貴金属リサイクル事業を展開するアサヒホールディングスに転職し、ERPやBIの導入、その他海外事業展開など約6年担当し、後半はCIOを歴任していました。

 2017年に、現在のクレディセゾンにCIOとして入社。現在は、クレディセゾンのITを統括しながら、システム開発およびクレジットカードのプロセシング事業を展開するグループ会社のキュービタスの経営も担っています。約30年社会人をやっていますが、キャリアの半分は海外で仕事をしてきました。

――大学を卒業して就職したCSKにとどまるのではなく転職したのは、1つの会社ではなく、いろいろな世界で活躍したいという気持ちからでしょうか。

 大学を卒業して就職するときから、IBMやソニーといったブランドが確立した会社のキャリアパスに乗るのではなく、何か面白い会社がないかと探して見つけたのが、当時成長著しかったCSKでした。

――大企業のキャリアパスに乗りたくないと考えるようになったのは、どのような理由だったのでしょう。

 明確な答えはないのですが、小学生のころ米国に住んでいたので、そのときに幅広い視野で人を見ていたことが背景にあるのかもしれません。

 半分米国人で、半分関西人なので……(笑)。CSKを辞めたときも、次の会社は決まっていませんでした。常に新しいものを求めているのは確かです。

――仕事をしていくうえで、大事にしてきた信条はどのようなものなのでしょう。

 ITは、ものすごく変化の激しい世界です。CSKの最後の3〜4年、2000年前後にシリコンバレーにいました。当時のシリコンバレーは、急成長している時代で、ちょうどモザイク(ブラウザ)が登場したり、インターネットサービスプロバイダー(ISP)のアメリカオンライン(AOL)が、家庭からインターネットに接続するためのサービスを展開したりと、インターネットが大きく一般にも普及した時期でした。

 インターネット関連のベンチャーが次々に誕生するなど、シリコンバレーはすごく刺激的な時期で、ボーっとサラリーマンをしていたのではいけないと感じました。こうした経験が今に生かされていると思います。もちろん、日本国内でもいろいろな人から刺激を受けています。

金融市場で生き残るためには強いIT部門が不可欠

――現在のIT業界をどのように見ていますか。

 これまで、ITからスタートして、アパレル、貴金属、金融と、4つの業界のITを経験してきました。ITで何が面白いかといえば、どんな業界でも仕事ができることです。

 IT分野で転職すると、早い時期に会社の全貌を把握することができます。1つの部門、1つの仕事をしていては、会社全体を把握するのは困難です。ITであれば、営業も、販売も、経理も、人事も全て必然的に把握できます。ITの活用で、さまざまな部門の業務を改善することもできます。その意味で、IT担当は面白いと思います。

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