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» 2020年02月06日 07時01分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:人の心を動かす自己演出力とは? (1/2)

演出は、自分のために「盛る」ではなく、人のためにする「サービス精神」だ。

[中谷彰宏,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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演出は、自分のために「盛る」ではなく、人のためにする「サービス精神」だ。

『自己演出力』

 「動画を配信しているのですが、まったく見てもらえません。どうしたら、もっと見てもらえるようになりますか」と、相談されました。見てもらえない動画の共通点は、見てもらおうと焦りすぎて、「盛り」が多くなっていることです。

 見る人は、「盛り」に飽きています。「盛り」は、マイナスの演出なのです。

 私の仕事は演出をすることです。20代はCMの演出、それ以降はサービスの現場での演出、ホテルの企画の演出などをしています。だから私は、どこに行っても「この動画はもう少しこうやって演出すればいいのに」ということを考えているのです。

 今まで出会ってきた人の中で、「この人は感じがいいな」と思う人は、よく覚えています。そこには必ず何かの演出がありました。「演出」イコール「盛る」というのは、大きな勘違いです。

 SNSの世界では、盛ることが基準になってしまっています。「演出」と「盛る」は、別です。「盛る」は、自分をいかに大きく見せるかです。「演出」は、サービス精神です。

 結果として、自分にサービスをする人は、その人自身が小さく見えます。人に対してサービスをする人は、きちんときわ立って、輝いてくるのです。自信のある人ほど、人に対するサービス精神があります。

 サービスをすればするほど、相手に喜んでもらえます。それが「役立った」「いいことをした」という自信になっていくのです。最終的に、演出することによって自己肯定感が上がることが一番大切です。

 盛ると、「本当はこうじゃないんだけど」ということで自己肯定感が下がります。動画もSNSの文章も、どちらも情報量が少なく、相手に対面していません。その分、「この人は盛っている」「この人はありのままを描いている」というのは、バレるのです。

 盛っている人は、やがてバレて人気がなくなります。それでさらに盛っていくという負のスパイラルへ入るのです。SNSは、盛ることによって知名度を上げるという手法になりがちです。

 まずは、人に対してサービス精神があるかどうかです。自分のためではなく、まわりの人のため、その場の空気のためにすることが演出なのです。

ノックの仕方で、誰だか分かる。自己表現とは、誰だか分かるということだ。

 「面接で、なかなか採用されません。どうしたら、面接官の印象に残ることができますか」と、相談されました。

 演出は、映画や舞台だけのことではありません。日常生活の中にも、演出はたくさんあります。演出力は、感じのいいこと、感じの悪いことを感じ取る力です。

 クヨクヨする人は、演出に向いています。例えば、スターバックスで、出ようとして重いドアを押している人がいたので、ドアを開けてあげました。なのに、その人はまったく気付きませんでした。気付いてくれないと悲しくなります。

 そういう感覚は演出をする上で大切です。ふだんイラっとしやすい人、クヨクヨしやすい人は演出のタネを持っているので、それを生かせばいいのです。

 私は足首の骨にひびが入って、2カ月間、毎日、超音波治療で整形外科に通いました。治療中は本を読んでいたのですが、1つ気付いたのは、看護師さんのノックの音が人によって違うのです。

 ドアには「ノックしてください」と書いてあります。いきなりドアをあけると、中に患者さんがいる可能性があるからです。ドアの上の方でノックする人は、音が優しくなります。下の方でノックする人は、音が怒った感じになります。

 みんなたたきやすいところをたたいているのですが、怒っていたり、トイレで焦っていたりする時は下の方をたたきます。ふだんより少し高いところをたたくだけで、音が軽くなって、感じのいい音になるのです。

 これが演出です。

 面接もノックの音で勝負が決まります。面接で通る人は、上の方をたたいて、軽い音がします。入ってくる前に勝負がついているのです。結局、演出には本人の生き方が全て出てしまいます。ノックひとつで、ドアに対しての優しさ、中にいる人への優しさが分かるのです。

 演出力は、中にいる人に不快な感じを与えないたたき方を考える力です。面接に限らず、初めて会う人のノックの音で、今後も付き合いたいか、あまりかかわり合いたくないかを判断されるのです。

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