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» 2023年02月09日 07時03分 公開

ほんのちょっと心の持ちようを変えるだけで、人生も毎日も変わるビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

人生は必ずしも思い通り、計画通りにいくわけではない。思ってもみないことが起こる。だから問われてくるのは、そういうときにどう対応できるか、である。

[上阪徹ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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『マインド・リセット 不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣』(Amazon)

 書く仕事でフリーランスになって28年。3000人以上の成功者や著名人にインタビューし、50冊もの自著を書き、ブックライター(著者に代わって本を書く仕事)としても100冊以上を世に送り出し、雑誌やWebサイトで連載を持ち、自分の名をつけた塾を開いてもいる。まさか後にこんな自分がいるなんて、まったく想像もつかなかった。

 私の20代はうまくいかないことの連続だった。就職活動では希望の企業に入れず、転職はしたものの納得した仕事はできず、再転職した会社は倒産してしまった。私は28歳で失業者になった。どうしてそんなことになってしまったのか。振り返れば、20代の私はエゴの塊だった。自分のことしか考えていなかった。自分さえ結果が出せればいいと思っていた。自分のために働いていた。これではうまくいくはずがない。

 ところが失業で何もかも失い、誰からも必要とされない苦しい状況を味わった。そしてフリーランスの道に踏み出すとき、改めて思ったことがあった。必要としてもらえることが、いかにありがたいことか、である。そこで、私は1つだけ決めた。もう自分のために働くのはやめよう、自分を必要としてくれる誰かのために働こう、と。うまくいかなかった私の人生は、この「マインド・リセット」で一変することになった。

 考えてみれば、当たり前かもしれない。自分のために働こうとしている人間を、応援しようという人はいない。しかし、誰かのために頑張ろうと思っている人間は、多くの人が応援してくれるのだ。実際、そうだった。仕事は紹介でどんどん広がっていった。思ってもみないチャンスを次々にもらえた。驚くほど収入も増えた。予想もしなかった充実した日々が待ち構えていた。誰かをうらやむこともなくなり、人の夢や目標を心から応援できるようになった。いつも心に満足感と余裕がある。

 正直に言えば最初の「マインド・リセット」以降、うまくいきすぎて調子に乗りそうになったことがなかったわけではない。だが、幸いなことに私は多くの成功者や著名人に取材する機会を得ていた。人生や仕事について、多くのアドバイスをもらった。これがまた私にとっての「マインド・リセット」になった。さまざまな「マインド・リセット」を繰り返して今がある。

 改めて思うのは、ほんのちょっとの心の持ちようが、人生や毎日を変える、ということである。だから私自身の、そして多くの成功者や著名人からもらった「マインド・リセット」をいつかまとめたいと思っていた。その機会をもらい、書き上げたのが『マインド・リセット 不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣』(三笠書房)である。

 思考(マインドをリセットする)、時間(ストレスをリセットする)、頭脳(頭の中をリセットする)、感情(不安・不満・不快をリセットする)、人間関係(対人意識をリセットする)、五感(感性をリセットする)の6章構成で、私自身の経験に加え、経営者や起業家、俳優、作家、学者など、取材させていただいた方々の逆境を乗り越えるための62のアドバイスを掲載している。

 例えば、仕事=やらなければいけないもの、収入を得るためにやるもの、我慢しなければならないもの、というイメージをどうしても捨てきれない若い人も多い。しかし、これも小さな「マインド・リセット」で大きく印象が変わっていく。というのも、どんな仕事も必ず誰かの役に立っているからである。実はどこかで「ありがとう」を言ってくれている人がいるのだ。それをリアルに想像できるかどうか。

 最終的なお客さまと直接、対峙する仕事でなくても、必ず「ありがとう」を言ってくれる人がいるはずなのだ。それが誰なのかを意識する。その誰かのために頑張る。より大きな、より多くの「ありがとう」をもらえるように努力する。そうすれば、必ず結果が出るし、また「ありがとう」がもらえる。仕事は、誰かを喜ばせることができる最高のツールなのである。そのことに気付ければ、仕事人生は大きく変わる。

 その意味でも、私は幸運だったと思っている。「自分のため」に働いていたら、このことに気付くことができなかったからだ。「誰かのため」を意識したことで、仕事のなんたるかも理解することができた。誰かの役に立てるからこそ、仕事というものがあるのだ。誰かの役に立てるからこそ、報酬だって生まれる。

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