スーパーコンピューターの計算速度の世界ランキング「TOP500」が13日(日本時間14日)発表され、理化学研究所が運用する「富岳」(神戸市)は4位となった。米国の新しいスパコン2台が上位にランクインし、首位から3位までを米国が独占した。
TOP500は、高速計算が安定して実行できる総合的な性能を示す。米オークリッジ国立研究所の「フロンティア」は昨年5月からトップを維持しており、計算速度は毎秒119京4000兆回(京は1兆の1万倍)。富岳は同44京2010兆回で、前回は2位だった。
今回の2位は米アルゴンヌ国立研究所の「オーロラ」、3位は米マイクロソフトの「イーグル」で、いずれも初登場。オーロラは現在試運転段階で、今回の測定値は計画の半分程度にとどまっており、完成時の計算性能はフロンティアを超えるとみられる。
8位(スペインのバルセロナ・スーパーコンピューティングセンター)、9位(米エヌビディア)も新規にランクインした。
新しいスパコンの登場により、トップ10に中国勢のスパコンはなくなった。ただ、ランキングに登録していないだけで、ランク上位のスパコンに遜色ない複数のマシンが中国に存在しているとみられている。
他の部門では、産業利用で重視されるシミュレーション(模擬実験)などの処理性能を測る「HPCG」と、ビッグデータの解析性能などを示す「Graph500」で富岳が8期連続の1位となった。人工知能(AI)の開発でよく使う計算の指標である「HPL−MxP」は3位を維持した。
各ランクはスパコン関連の国際会議の開催にあわせて約半年ごとに発表される。
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