部下との距離の詰め方に悩むとき、得意先の苦手な人と絡まざるを得ないときなどには、ちょっとした雑談が全てを解決してくれたりする。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
自分の価値観とまったく違う人と話をするとき、誰でも「苦手だな」という思いが頭の中をかすめる。そんなときは、どうしたらいいのだろうか。
上司である立場の人は、こう言う。
「会社の若い子たちとコミュニケーションとりたくても、話がまったく合わない。ジェネレーションギャップを感じて、話しかけるのが億劫になる」
一方、若者たちは、こう訴える。
「オジサンたちの話は、昔話が多くてぜんぜんピンとこない。もっと若者にも分かるような話をしてほしい。話も長いから、こっちから話しかけたいとは思わない」
分かります、どちらの意見も。私はかつて若者でしたし、現在はオジサンをやっていますから。違う世代や価値観の異なった人たちと話すのは、誰でも苦手に感じるものです。
「自分と違う人」とつき合うよりは、自分と「似ている」もしくは「同じ」だと感じる部分が多い人とつき合うほうが居心地いいからです。
でも、その狭い世界だけで暮らしていくことは無理です。
世の中には、自分と同じではない部分を持っている人たちのほうが圧倒的に多いですよね。
価値観は、世代、環境、持って生まれたもの、社内風土など、さまざまなファクターによって、非常に細分化されています。価値観が違えば使う言葉も違うし、ギャップがあればあるほど、その相手とはコミュニケーションをとるのが大変に感じます。
でも、実はそういう相手と話すときのコツがあるんです。
それを教えてくれたのは、外資系企業に勤める知人でした。 知人の勤める外資系企業には、さまざまな価値観を持った人がいるそうです。国籍も違えば、世代も違う。そんな会社の中で、どうやってコミュニケーションをとっているか、秘けつを教えてくれました。それが、
Friendly but politely.
親しみやすいけど、ていねい。
ということだそうです。
さまざまな考えの人と話す。そのとき、親しみやすい言葉を使うけれど、決してナァナァな友だち言葉にならない、ということに気をつけているそうです。
そんな簡単なことかと思うかもしれませんが、これが効果があるそうなんです。具体的には、会話の中で、こんな心がけをしているそうです。
例えば、相手が自分よりも年下であっても、経験が浅い人であっても、同じ態度をとるそうです。
まずは、形から入って、たくさんの相手と会話を重ねる中で、価値観などの違う人と話すことへの苦手意識を取り払えたらいいですよね。
そもそも、脳は他人と分かり合うのが難しいようにできているそうです。例えば、シマウマを見て、「白に黒い線」と考える人と、「黒に白い線」と考える人とがいるそうです。
価値観も、違って当たり前。そこからスタートすると、コミュニケーションがとれたときに、より喜びが大きくなるはずです。
「どうせ、相手は年寄り(or若造)だ。自分の言うことなんて分からない」
「相手の話している内容が、理解不能」
「上から目線で、気分が悪い」
などと言って避けるのではなく、価値観の違う人を観察し、そこから何かを学ぶくらいの気持ちで接するといいかもしれません。
くり返しますが、今の世の中、話が通じないのが当たり前なのです。お互いの違いを認め、絶えず相手を尊い存在だと思う。「親しみやすさとていねいさ」を意識して、雑談に参加してみましょう。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授