製造機械などをつくるエンジニアリング事業を強化・拡大する方針を示した。
大手建設会社、大成建設の相川善郎社長(66)は産経新聞の取材に応じ、製造機械などをつくるエンジニアリング事業を強化・拡大する方針を示した。
――令和6年の展望は
「新型コロナウイルス禍は業績にさほど影響しなかったが、(資材価格などの)建設物価の上昇は大きかった。価格転嫁できていない契約もあり、業績のV字回復は厳しい状況だ」
――価格転嫁について発注者側の理解は
「理解はいただけるが、『分かった、払う』とはならない。特に厳しい交渉となるのはオフィスビルだ。『リーシングプライス(テナント仲介料)は上がらないのに、建設費だけ余計にかけるわけにはいかない』と言われるケースが多い」
――6年3月期業績予想は中期経営計画で掲げた目標に届かなかった
「現行計画はコロナ禍が本格化する前に作ったもので、ここまで事業環境が変わるとは予測できなかった。12(2030)年に向けては売り上げ目標よりも採算性を重視する」
――6年度からの次期中期経営計画を支える事業は
「土木、建築が主軸。それ以外には(建設会社が製造機械などをつくる)エンジニアリング事業を強化・拡大し、一緒に建築設備事業も受注したい。競争相手は他のゼネコンより、エンジニアリング企業になる」
――昨年、高速道路の改修工事に強い建設会社などを買収した
「高速道路、橋、トンネルなどインフラのリニューアルは進む。南海トラフ地震や首都直下型地震に備え、整備はさらに重要になる。当社の必要性を満たすM&A(企業の合併・買収)はどんどんやる」
――2024年問題に向けた労務管理の状況は
「IT化など対策を進めているが、『大丈夫』とは言えない状況。若い人が残業できない分、一時的に管理職にしわ寄せがいくことも想定される。現場の技能者(職人)に関しては、ほとんど問題ない」
――大阪・関西万博の海外パビリオンで、各国が設計、建設する「タイプA」のオファーは受けたのか
「海外(の国・地域)から受けた1件は実現できそう。今から新規だと、(タイプAは)もう無理だ」(福田涼太郎)
あいかわ・よしろう 東大工卒。昭和55年大成建設入社。九州支店長や建築営業本部長などを経て、令和元年に取締役常務執行役員。2年4月取締役専務執行役員、同6月から現職。長崎県出身。66歳。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授