「男の子は体育が得意 女の子は家庭科が得意」
「男の子は体育が得意 女の子は家庭科が得意」
「女の子はお菓子作りが好き 男の子は昆虫が好き」
「料理などの家事は女の人の役割 遅くまで外で働くのは男の人の役割」
ボードに示されたそんな文言を小学生たちが真剣なまなざしで追い、進行役の女性の話に熱心に耳を傾ける。これは昨年9月、東京都が子供向けの職業体験施設「キッザニア東京」(江東区)と連携して行ったイベント「アンコンシャス・バイアスウイーク」の一コマだ。
児童は自分の未来を自由に考えてカードに書き込む「チャレンジカード作り」にも挑戦。そうして性を巡るさまざまな固定観念を少しずつ解きほぐし、未来を自由に思い描いていった。この日参加した女子児童の一人は「自分が将来なりたいと思っている警察官は『男の人っぽい』イメージがあって、ふだんはあまり夢を口にしないけれど、今日の話を聞いて自信が持てた」などと話した。
イベントの開催に動いたのは、都が2022年度に設置した女性活躍推進担当。日本の人口の1割超が集中する都は女性の社会進出に向けた施策にも力を入れている。柱の一つが、子供たちへの啓発イベントだ。
同担当は発足直後に小学生を対象に性別に対する意識の実態調査を実施し6622人から回答を得た。その結果、「性別で向いている仕事と向いていない仕事がある」という問いに「そう思う」「どちらかというとそう思う」と答えたのが43.4%にも上った。
「小学生の段階で半数近くがそう考えていることに衝撃を受け、幼いころからの思い込みを変えていくのが重要だという結論に至った」と池野谷晃子・女性活躍推進担当課長は振り返る。そうして始まったキッザニア東京との連携イベントは評判を呼び、これまでに約1万人の親子が参加した。
意識改革を促す都の取り組みはほかにもある。日本は科学・技術・工学・数学といった理系分野に女性が進出する比率が、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中最低ランクに位置している。企業も女性人材の確保に頭を悩ませる中、都は22年度から女子中高生に向けたオフィスツアーを行っている。
IT企業や家電、自動車メーカーなどを訪問し仕事の魅力に触れるこのツアーは希望者が殺到。直近での参加倍率は約14倍に達した。女子中高生の進路の悩みに、理系学部に通う現役の女子大学生が応じる座談会も24年度から開催している。
「ツアーでは進路指導を担当する現場の先生からの問い合わせも多かった」。池野谷さんは手応えを語り、こう続ける。
「女性活躍に関する取り組みのニーズを察知し、必要な次の事業につなげていけたら」(宇都木渉)
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授