受け取り方法や時間帯など居住者の希望に合わせ、ロボットがオートロックを開錠して玄関まで荷物を届ける。配送業界の人手不足への対応や、多様化する荷物の受け取りニーズに応えることが目的。
宅配大手のヤマト運輸は、千葉県浦安市の大規模マンションで、自動配送ロボットを使った実証実験を始めた。受け取り方法や時間帯など居住者の希望に合わせ、ロボットがオートロックを開錠して玄関まで荷物を届ける。配送業界の人手不足への対応や、多様化する荷物の受け取りニーズに応えることが目的。令和8年の実用化を目指す。
自動配送ロボットは韓国のロボットメーカー「ワット」が開発。アームを駆使し、メーカーを問わずエレベーターやセキュリティードアを操作できるのが特長だ。居住者に直接渡すタイプと、玄関ドア前に置き配する2種類の自動配送ロボットを用意。居住者は配達する時間帯や方法を指定することが可能。重さ30キロの荷物まで運ぶことができる。
実証実験は、地上14階建て、総戸数550戸の分譲型マンションで、許可を得た一部住民を対象に実施。初日の22日には報道関係者向けの説明会が行われ、配送の様子も公開された。エントランス近くに設置された宅配ボックスから荷物を取り出した自動配送ロボットが、人や柱を避けながら狭い通路をスムーズに進み、玄関ドア前に到着。アームを使って器用にインターホンのボタンを押し、荷物を渡した。
実験は9月24日まで。配送の正確性や障害物の回避動作などを確認するほか、運用コストや利用した住民の満足度などを調べる。
ヤマト運輸によると、近年、都市部や再開発エリアでは1000戸を超える大規模マンションが増加。取り扱う荷物の数自体が増え、「軽い荷物は宅配ボックスで、重い荷物は玄関先まで届けてほしい」「仕事が終わるのが夜遅い時間なので、深夜に受け取りたい」など、受け取り方法や時間のニーズも多様化している。
自動配送ロボットの活用で、深夜や早朝の配送も可能となり、再配達の減少も見込まれることから、配達員の負担軽減にもつながりそうだ。
今後は東京や関西圏でも実証実験を行う計画。担当者は「ライフスタイルに合わせた受け取り方を選ぶことができ、お客さまの選択肢の幅が広がる。実証実験で満足度などを調査し、実用化につなげていきたい」と話した。(松崎翼)
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