業界ではドライバーの高齢化が課題となっており、健康に起因する事故を減らすことで人手不足の解消につなげたい考えだ。
三井住友海上火災保険が、スマートウオッチを活用して運送・運輸業のドライバーの事故防止を図るサービスの提供を近く始めることがわかった。心拍数を分析し、眠気など危険な兆候を検知して注意喚起を行う。業界ではドライバーの高齢化が課題となっており、健康に起因する事故を減らすことで人手不足の解消につなげたい考えだ。
新サービスは生体データの活用に強みを持つIT企業、enstem(東京)と連携して提供する。スマートウオッチで運転前や運転中のドライバーの心拍数をリアルタイムで計測し、眠気や熱中症などのリスクを検知。本人と管理者の双方に警告する。
毎月、ドライバーごとに警告の傾向をまとめたリポートも作成する。体調変化が出やすい曜日や時間帯、地域などを可視化し、事故防止策を促す。利用料は1人あたり月2000円からで、スマートウオッチの購入費用は別にかかる。
運送・運輸業界では高齢化と人手不足により、ドライバー1人にかかる負担が重くなっている。タクシーやバス、トラックなどの健康に起因する事故報告件数は2023年に418件で過去最多だった。今年は日本郵便で不適切点呼による配達員の飲酒運転が発覚するなど、ドライバーの安全を揺るがす事態も多発している。
三井住友海上は将来的に、サービスを通じて得られる生体データと車両の走行データを組み合わせ、より高度な事故抑止につなげることを目指すという。
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明治学院大学 経済学部准教授