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» 2008年07月24日 10時18分 UPDATE

新世紀情報社会の春秋:iPod touchで楽しむiPhone 2.0の魅力 (1/2)

お祭り騒ぎは予想はされていたが、iPhone上陸の騒ぎは少々オーバーなものに映った。いくつもの「魅力」とされている部分にも疑問を感じた。

[成川泰教(NEC総研),ITmedia]

予想されていた「お祭り騒ぎ」

iPhone上陸のお祭り騒ぎはある程度予想されたものの、発売日に前後した数日間に目にした報道は、筆者にはややオーバーなものに映った。別の言い方をするなら、あらためてこのiPhoneという商品が持つ人気、というよりも話題性といった方がいいだろうか、がメディアを通じて人々の注目を集める力について、その凄さを感じた次第である。

 実際に発売されることで初めて明らかになったことがらもいろいろとあった。すでに他の記事でたくさん紹介されているので、それらについてはここでは触れない。昨年のデビュー以来、日本での発売について様々な憶測が飛び交ったわけだが、実際に発売にこぎ着けるまでの舞台裏では、いろいろなレイヤーで相当に混みいった交渉と選択、そして決断があったことは容易に想像される。

 実際に知人が買ったiPhoneを少しさわらせてもらった。自分が使っているiPod touchについても(前回のお約束通り)早速ソフトウェアのアップグレードを行い、新しいiPhone2.0ソフトウェアの機能を日々体験している。iPhoneを買うことを考えれば、そのために1200円を払ったのは安いものだ。現時点での筆者の結論について、いくつかまとめておきたい。

3Gの携帯電話としての魅力には疑問

 まず電話としてのiPhone 3G本体を使った通話機能ははっきり言って使いにくい。これは慣れるかどうかの次元を超えたところにある問題だと思った。ただ、注目しておきたいのはやはりブルートゥースの存在だ。すでに専用のレシーバなども発売されているようだが、こうしたものが通話という基本的な機能を通じて、携帯電話機のデザインに大きな革命を起こすことは間違いない。この側面で今後どういう展開があるのかは非常に楽しみである。

 ついでながらカメラ機能についても、あまりケータイのカメラのお世話になっていない筆者の立場では、やはり魅力を感じなかった。もちろんプライベートな場であれこれと試したわけではないのだが、大きくて見やすい画面での拡大や縮小機能が特長の商品だけに、200万画素のカメラ性能では少々物足りない気もする。また写真を管理する機能として、Mac譲りの相当なものがあるだけに、もう少しなんとかならないだろうかとも思う。まああくまでもメモ機能だと割り切って考えるべきだろう。これについては別の視点からの考えもあるのだが、今回はやめておく。

 3Gのデータ通信機能については、やはり便利だと感じた。残念ながらこればかりはiPod touchではどうしようもない。ただiPhoneそのものの問題とは少し異なるかもしれないが、実際には時間や場所によってスピードなどにかなりのムラがある点は、既に多くの人が感じている通りであり、そこがWiFiとは大きく異なる特性でもある。実際にWiFi環境下と比較してみると、Web画面が表示される時間にはかなりの違いがある。先にWiFiでの使用感に慣れている人からすれば、これはストレスになるだろう。しかもそれに月額ウン千円のコストがかかるのである。

 気になる通信料金の問題だが、ほぼ予想していた通りの料金設定であり、PCサイトを見るのが一般的な使い方であるこの商品の宿命としては仕方ないとは思う。やっぱりこれは素直に高いと思う。iPhone専用料金プランを「安いものだ」と割り切れる人は幸せだ。年間10万円に近い負担で得る代償をいったい何に求めるのか(これはインターネットがこれから直面してゆくことになる重要な問題である)、そう考えるとやはり「贅沢な一品」であることは間違いないだろう。プッシュ型の情報入手機能については、常時接続型のネット端末であれば当たり前の機能なので、技術的な手法はともかくあまりどうということはないと思う。

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