特集
» 2009年01月26日 11時35分 UPDATE

中国ビジネス最前線:金融危機でチャンス? 急成長する中国の文化産業

経済危機などの影響で経済成長が鈍化する中、ネットゲームや映像など中国の新たな文化産業が急速な発展を遂げつつあるという。

[内田総研グループ,ITmedia]

▽中国文化産業、金融危機でチャンス

 1月10日、11日の日程で「第6回 中国文化産業新年フォーラム」が北京大学で開かれた。フォーラムでは文化戦略や文化産業、都市発展などをめぐって100人ほどの専門家が話し合った。専門家らによると、中国の文化産業は金融危機の中で新たな発展のチャンスを迎えているという。


文化産業にビジネスチャンス

 全国政治協商会議のレイ無畏副主席によると、中国経済は金融危機によって影響を受けているが、ネットゲームや映像文化などの文化クリエイティブ産業は不断に成長しており、その成長スピードは経済全体の成長スピードをはるかに超えているという。

 金融危機はむしろ、文化産業にとって得がたいビジネスチャンスとなっている。


文化産業の成長要因

1. 文化産業はハイテクを必要とし、環境汚染も少なく、潜在力も大きく、資源の消耗も少ない。これらの要素は、産業構造の調整と改善を目指す国家の要求に符合している。

2. 文化産業は、内需拡大と消費促進という国家の要求に符合している。

3. 金融危機は、中国の従来型の輸出企業に打撃を与えたものの、中国の文化製品には海外進出へのチャンスを作り出した。

4. 内需の観点から言えば、文化消費は中国経済の新たな成長点と言える。

5. 新メディアや新文化の振興が文化産業の急速な発展に有利な環境を作り出している。


文化産業に対する政府支援

 文化部は、文化消費の需要は経済危機に際してむしろ増加する可能性があるとの見方を示している。政府による一連の内需拡大措置が取られたことも、文化産業分野の中小企業の融資問題解決にとって有利な環境を作り出している。

▽08年、中国ネットゲーム輸出急成長

 マーケティングリサーチ国内大手の艾瑞諮詢の予測によると、中国のネットゲームの2008年輸出額は1億ドルを上回る見通しで、この数字は2007年の業界輸出総額5500万ドルのほぼ2倍に相当する。拡大する世界金融危機の渦中にあっても、中国ネットゲーム業界の製品輸出は急成長している。

 中国はこれまで、文化産業の海外普及という面では立ち遅れていたが、中国のネットゲーム業界は、ここ数年の輸出成長スピードが最も速い文化産業となっている。

 北京完美時空網絡技術有限公司が開発した「完美世界」、「武林外伝」、「LEGEND of CHUSEN ―誅仙―」、「レッドクリフ(赤壁)」などのネットゲームはいずれも、中国文化の特色を備えた製品で、日本、ベトナム、韓国、マレーシア、フィリピン、ブラジル、ロシア、米国などの国家・地区に輸出されている。

 現在、国際市場に進出している国内ネットゲーム企業は、既に10社あまりに達している。

▽中国、世界最短の金融危機回復へ

 中国の温家宝首相は1月9日から11日にかけて輸出産業が集積する江蘇省を視察し「中国の目標は今回の金融危機から(世界で)最も早く回復することだ」と語った。温首相は、昨年12月の経済指標について「予想よりやや良かった」との認識を示し、景気回復の兆しが既に出始めていることを強調した。

 中国の経済指標は金融危機の影響で11月に軒並み悪化したが、一連の景気刺激策の効果がこれから表れることもあり、過度に悲観的になる必要はないとの考えを強調した。

 温首相は3月5日に開幕する全国人民代表大会の前に、具体的に追加の景気刺激策を打ち出す考えも明らかにした。自動車の販売促進策などが含まれる見通しで、中国経済は世界最短の金融危機回避に始動している。



※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -
世界基準と日本品質を極める Clients First with Innovation & Japan Quality

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆