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» 2013年11月06日 13時00分 UPDATE

ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート:女性の活躍は日本を救うか?――会社役員を目指す女性社員を育てよう! (1/2)

少子高齢化が進む現在、女性の活躍が期待されているが実態はまだまだだろう。しかし今後は女性を活用する会社こそ生き残れるということを、男性に意識してほしい。

[山下竜大,ITmedia]

 アイティメディアが開催している「ITmediaエグゼクティブ勉強会」に、多久案の代表であり、「女性社員のための立志塾」「女子大生のための本気塾」などを通じて、女性活躍推進に注力している古川裕倫氏が登壇。女性がまだまだ活躍していない会社と男女ほとんど同じ仕事をしているエンターテイメント会社での経験を生かした女性活躍推進の取り組みを「女性を活用できる上司になる」というテーマで紹介した。

お嬢さんたちは○○しておいて!

furukawa2.jpg 古川裕倫氏

 「私が、最初に働いていた商社は、きわめて男性色の強い会社であった。現在は、雇用機会均等法により女性も総合職に登用しているが、それ以前は女性に対して当人の前で"お嬢さんたちは、○○をしておいてください"という言葉を使っていた。いまならハラスメントで問題になるところだが、当時としてはどこの会社でも当たり前だった。いかに女性を活用していなかった時代であったか」と古川氏は当時を振り返る。

 商社から転職したエンターテイメント会社について古川氏は、次のように語る。「スターを育てたい、いい舞台を創りたいなど、男女の性別にかかわらず、同じように熱意にあふれた仕事をしている会社だった。2つの異なる文化の会社を経験したことから、このままでは日本はうまくいかなくなるのではないかという危機感を持ち、さらに少子高齢化やグローバル化の観点からも女性の登用が不可欠と考えて、今に至っている」

 「ダイバーシティ」という言葉を耳にするようになって久しい。ダイバーシティにより、違った考え方の持ち主が集まると新たな考えが出てくるというメリットがある。最近では、女性役員がいる会社も少しは増えてきたが、外国人役員のいる会社は珍しい。「海外との取引が多い会社であれば、外国人の役員がいても不思議ではないはず」と古川氏は言う。

 また現在、少子高齢化により生産労働人口が著しく減少していく日本では、女性だけでなく、外国人やシニアの登用も考慮すべき事案といえる。例えば外国人の就労に関しては、豪州では生産労働人口の25%程度、米国では15%前後、独国および英国では10%前後が外国人である。しかし日本での外国人就労率は1%以下である。古川氏は、「"(就業において)日本はいまだに鎖国をしている"と外国人有識者から言われたことがある」と語る。やはり、外国人登用には消極的な国であるというのは間違いないだろう。

 ちなみに、「日本はグローバルな国であるとは言いがたい。自称貿易立国とはいうものの、海外への直接投資金額も少ないし、国内市場に甘んじている会社も多い」、「"半世紀前に開業した新幹線は、いま日本以外のどの国で走っているのか?"と外国人に聞かれることがある。まったくそのとおりである」と古川氏は話す。

 日本の人口は1億2800万人をピークに減少を始めている。江戸時代末期の人口は約3000万人であり、140年間で4倍に増えたことになるが、これは「産めや増やせ」の掛け声でそうなったのではない。明治から昭和にかけての産業の発展が国力を向上させ、それだけの人口を支えることができる国となったからである。

 今後は人口が減少していくため、市場が縮小し、企業活動の結果に変化が出てくる。分かりやすくいうと、グローバルにビジネス展開をせずいままでどおり国内だけのビジネスを展開していると、ほとんどの企業は売上が減少することになる。他社に比較して卓抜した事業展開をしていればその会社は伸びることはあっても、過去と同じことをしている会社全部が右肩上がりの売上を得られることは不可能である。

 話を戻すと、生産労働人口の減少に対して、シニア世代の活用はどうだろうか。古川氏は、次のように語る。「それは重要ではあるが、一般的に社長より年上の世代や自分より年上の部下を使いこなすことは、どの企業にとってもやさしいことではない」

 現在、生産労働人口は8000万人を切り、2050年には約4000万人台になってしまうという調査報告がある。そこで女性の登場である。

女性の活躍によりGDPが4〜10%アップする

 現在、日本の上場企業(3543社)のうち、15%の会社に女性役員がいるが、これは4万人の役員総数のうちの1.6%に過ぎない。海外の状況を見てみると、1位はノルウェーで44.2%、2位はスウェーデンで21.9%、3位はブルガリアで17.0%、日本の順位は38位に過ぎない。「38位以下の国は、女性の権利が制限されてきたイスラム圏が中心となっている」と古川氏は言う。

 また世界経済フォーラムが発表している2009年〜2012年のジェンダーギャップ指数では、日本は135カ国中100位前後となっており、この4年間まったく改善の兆しがみられていない。こうした日本の抱える問題点は、「Can Women Save Japan?(女性は日本を救えるか?)」というタイトルで2012年10月に公開されたIMF(国際通貨基金)のリポートでも報告されている。

 このリポートでは、労働生産人口の減少、多額の債務、女性管理職比率の低さ、(女性が就職して育児で職場を離れ、再度社会復帰する)Mカーブ、復帰後の半分以上が非正規雇用であることなどの課題が指摘されている。また「日本の女性は教育水準が高く、熱心である」ことから、女性の活躍により、日本のGDP(国内総生産)が4%アップすることが期待できると報告されている。また、別のリポートでは、日本が他の先進国なみに女性を登用すると10%GDPが伸びるという。

 「女性登用をして、皆さまの会社の売上がそれぞれ4〜10%伸びるということに、異存はあるだろうか」と古川氏は言う。

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