KDDIが挑む「アイデアをサービスに直結させる仕組み」特選事例:電気通信会社の分析システム(2/2 ページ)

» 2007年12月13日 11時10分 公開
[ITmedia]
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サービスに直結するシステムという位置付け

 EAGLEはわずか3カ月で構築されたが、青柳氏は「データ量が膨大だったので、BIツールよりもDBをどうチューニングするかということに非常に苦労しました」と言う。しかし、実際に稼働し始めてからは「われわれが想定したとおりの結果になっていると思います」と明言する。

 「EAGLEを使うと、いろいろな角度の切り口からの分析が数日でできます。ですから、今まではアイデアがあっても、それが本当にサービスとしてお客様に受け入れられるかどうかを実証するのに時間がかかっていましたが、今はその時間が非常に短くなってきています。分析そのものがリアルタイムに近づけば、それだけ素早い試行をくりかえすことができるわけです」

 それだけ確実に顧客のニーズに合ったサービスを提供できるようになっているということである。また、EAGLEが稼働してから間もなく4年になるが、その間にシステムの位置付けが変わってきているとも言う。以前は、分析に軸足を置いたシステムだったが、現状ではもう一歩進んでサービスに直結するシステムという位置付けになっているのだ。

 「企画や営業の担当者を仲介しなくても、分析結果そのものがサービスとしてダイレクトに提供されるようになっています」と青柳氏は説明する。また、分析そのものもマス的な分析から個人の分析へと変わってきているとも言う。

 現在、企画や営業部門をはじめ20ほどの部門が"EAGLE"を活用している。「BIツールをこれだけ社内のエンドユーザーに開放しているというのは、ほかにはないのではないかと思います」と青柳氏は言う。それだけエンドユーザーが十分に使いこなしているということだが、BusinessObjectsをバージョンアップする際にちょっとした摩擦があった。

 「07年の6月に2段階上げてバージョンアップしたので、操作感の変化への抵抗がエンドユーザーからアピールされました」と鳥越氏は言う。「例えば帳票の見栄え1つにしても、開発担当者がなるべく以前と変わらないようにするなど、ユーザーの希望に沿うように努めながら、最終的には理解してもらいました」

 EAGLEは社内に広く開放されているからこそ力を発揮し、躍進の原動力にもなっている。

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