連載
» 2007年12月14日 11時00分 公開

景気探検:「不運」の連鎖は大相撲にも――懸賞本数の伸び悩みに見る消費者心理 (2/2)

[景気探検家・宅森昭吉,ITmedia]
前のページへ 1|2       

08年の期待は星野ジャパン

 JRA(中央競馬会)のGIレースの売上高は今年6月24日の宝塚記念以降11月25日のジャパンカップまで概ね前年比プラス傾向が続いた。これは馬券を買う余裕があるということで、個人消費の底堅さを示すミクロ材料と言える。

 しかし細かくみると、11月11日のエリザベス女王杯で一番人気だったウオッカの出走取り消しというハプニングが生じた。このためこのレースの売り上げは前年比マイナスとなり、連続プラスの記録は4年ぶりの5レース連続までで途切れてしまった。11月18日以降の3レースがいずれも前年比プラスであり、9連続プラスなら大きく報じられる可能性もあっただけに、アンラッキーと言える。

 同様なことは経済指標でも言える。11月6日発表の9月分の景気動向指数先行DIは速報値で約10年ぶりの0.0%という衝撃的な数字となった。先行きすべての分野が悪くなりそうだと読めるからだ。改定値で実質機械受注がプラスで加われば、9.1%に上方修正されゼロから脱却できると思われた。2日後の8日に9月分機械受注の数字が発表され、国内資本財の企業物価指数が9月分発表時と同じであれば、プラスになることが判明した。

 しかし、喜びもつかの間、11月12日の10月分の企業物価指数発表時に除数である9月分の物価指数がわずかに上方修正されたことで、実質機械受注はマイナス符号に逆戻りとなり、ゼロからの脱却は幻に終わってしまった。

 11月30日発表の10月分の完全失業率は9月分と同じ4.0%で悪いままだと報じられた。しかし、小数第2位までみると、9月分の4.04%から10月分の3.96%まで0.08%とほぼ0.1%低下している。

 このように11月はツキがない状況が続いていたが、12月に入ると、野球で星野ジャパンが北京オリンピック出場を決めた。台湾戦の瞬間最高視聴率は40.8%にも達し、国民に夢と感動を与えてくれた。08年にかけ消費者マインドなどから景気をサポートするような明るい話題がどんどん出てきてほしいところだ。

たくもり・あきよし

「景気ウォッチャー調査研究会」委員。過去に「動向把握早期化委員会」委員、「景気動向指数の改善に関する調査研究会」委員などを歴任。著書は「ジンクスで読む日本経済」(東洋経済新報社)など。


関連キーワード

上方修正 | 広告 | 北京オリンピック


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆