これを解決しようとして広まったのがEAという考え方だ。だが、実のところEAを経営者に理解してもらうのは難しい。IT部門がEAの必要性を訴えたとしても、概念が分かりにくく「絵に描いた餅」になりかねないからだ。
そこで内山氏は「IT都市計画」と呼び変え、経営者にも分かりやすく重要性を伝えることを勧めている。
「新しい都市をつくるには、最初に計画を立てる必要がある。いきなりビルを建てたり、高速道路をつくったらおかしなことになる。ITも同じ。インフラデベロップメントがあってはじめて競争力のあるアプリケーションを構築できる。そのためには、何よりも先に基盤となるITインフラの都市計画が必要だ。そう考えれば、経営者にもEAの重要性を理解してもらいやすい」
「例えば、表参道ヒルズを考えてみるといい。それができるまでは、表参道には個別の商店が軒を連ねていた。隣の商店がいなくなったからといって、隣の商店がすぐに拡張することができなかった。しかし、表参道ヒルズは売り場スペースというインフラを標準化した。すぐに拡張したいと思えばできるし、新規の出店も容易だ」
このように都市に置き換えてみると、継ぎはぎだらけで重い負担となったITインフラに必要なのは、「都市計画」と「標準化」ということが分かってくる。
ITインフラはアプリケーションに比べ、直接収益に結び付かない。それだに「動いているのだから問題ないじゃないか」と一刀両断されがちな分野。しかし、ITをアプリケーションのレイヤだけでつなごうとするには限界がある。
ここ数年、日本企業のIT投資は回復してきた。長期展望に基づいたITインフラの区画整理をスタートさせるには、これが絶好のチャンスのかもしれない。
企業のIT環境は複雑化と肥大化の一途をたどっており、維持運用コストの増大に加えて、ビジネス要件の急速な変化に追従することが困難となっています。今後は戦略的な情報活用や業務のさらなる高度化に向けてIT基盤の備が重要課題となります。
セミナーイベント「NetApp Focus 2008」では、株式会社アイ・ティー・アール(ITR)の代表取締役で、「ITmedia エグゼクティブ」の人気コミュニティーリーダーでもある内山悟志氏が「成長と環境変化を見据えたIT都市計画」と題した基調講演を行います。
ITに対する企業の力量が問われている中、中期的な将来を見据えたIT都市計画のあり方について言及します。
そのほか、業界の著名人による特別講演やNetAppのエクゼクティブによるゼネラルセッションなどを通じて、ますます複雑化するデータ管理基盤の課題を解決するNetAppのデータ管理ソリューションをご紹介いたします。
NetAppを支えるスポンサー企業による最新ソリューションの展示や、NetApp製品の最新動向、より深い技術情報に加え、日本でのユーザー事例など、次世代のデータ管理基盤を体感することができます。
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明治学院大学 経済学部准教授