「見える化」に必要な3つのアプローチが会社を強くするITmedia エグゼクティブセミナーリポート

企業で強い現場を作るためには、業務の「見える化」が重要な要素になる。ただし、成果を生み出すには的確なアプローチが必要だという。

» 2008年04月28日 00時00分 公開
[伏見学,ITmedia]

 アイティメディアは3月18日、企業の経営層に向けたイベント「第4回 ITmedia エグゼクティブセミナー」を開催した。アビーム コンサルティングの経営戦略研究センターでプリンシパルを務める原誠氏は、企業を「見える化」する上で3つのアプローチが必要になると語った。

 見える化とは、業務での情報や諸問題などを目に見える形(可視化)にして、視覚的に把握することを表す。一般的には、図やグラフで可視化する場合が多い。原氏は見える化において「課題」「責任」「会議」という3つの基本的なアプローチがあると説明する。経営者はこれらを組み合わせて、あるべき情報体系を構想、定義していく能力が求められる。

実例を交えて説明するアビームの原誠氏 実例を交えて説明するアビームの原誠氏

 課題アプローチは、経営層から管理層で顕在化している課題について、どのような情報体系を目指すべきか、なぜ実現できないかを仮説的、体系的に整理する手法だ。例えば、将来の売り上げ予測や顧客解析などに用いられる。

 責任アプローチは、トップダウンの形をとる。経営者(会社)の掲げる目標を勘定科目レベルにブレークダウンし、各部門の結果責任と実現に向けた活動・アクションの整理を通じて必要な情報体系を明らかにする。

 会議アプローチは、見通しや戦略の実現度、生産性など社内での各会議の論点から必要な情報体系を整理する実務的なアプローチ。特に責任体系を明確にできない組織に対しては必要な方法となる。ただし、ここで重要なのは「(会議などの)報告書は、報告を受ける側で枠組みを設計する必要があること」(原氏)という。つまり、経営層が各会議において検討すべき事項を整理し、議論の重複や不足点をなくすために必要となる実績・分析データを明確化しておくべきだとしている。

 「(単に見える化の仕組みを作れば良いのではなく)活用する人に合わせた仕組みが成果を生み出す」と原氏は強調した。

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